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1997年4月

1997年4月 2日

招かれざる客

「人種差別はいけない」と分かっていても,自分の娘が苦労すると思うとどうしても結婚を許せない父親.「まだ時代が許さない」と言い張る彼に「ならいつ変わるのだ!」と問い掛けたくなってしまった.

その妻(キャサリン・ヘプバーン)の方は最初こそ驚いていたものの,娘の想いの強さを知って必ず娘の味方になると決意する.自分の夫が常日頃主張してきたこととは正反対の行動をとるのを見て,いつか泣きだしてしまいそうな表情をしていて同情してしまった.

驚いたのは,白人側の差別だけでなく,黒人側の差別も(というか,白人とは相容れないという考えが)あること.その筆頭がなにかとつっかかるメイドさんだし,医師の父親もひどく反対していた.

医師とその父が言い争い,父の言い分に我慢していた若者が「僕を育てたのは義務だったからだ!僕を縛らないでくれ!」と叫んでしまうのだが,そのあと深呼吸して「父さん,愛してるよ」と言うのが印象的だった.衝突することはあっても,互いに互いのことを想っているのがわかる一言ではないか.

新聞社主の親友の牧師さんが一番面白かった.彼は結婚に賛成で,新聞社主をからかいつつ説得しようとするのだ.

でも,決め手となったのは医師の母親の言葉.この人はひどく静かで優しい声の人で,「困難は承知の上でしょう,それよりも二人が互いを必要とし合っていることが大事なのではないのか? 男の人はなぜ若いころの情熱を忘れてしまうの?」というようなことを言うのだ.

これだけ書くと,重い問題扱っていて沈鬱なようだけど,合間に笑いもはさんでいるので全体の雰囲気は明るい.

そうそう,新聞社主の娘ね,差別意識がまったくないのはいいけど,あまりに楽天家すぎるよ.問題なく育ってはいないよ.(笑)

余談:スペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンのコンビとか,シドニー・ポワチエは有名だけど,初めて見たわ.シドニー・ポワチエ,さわやか好青年だった.(笑)いや,なんとなくコメディの意識が強くてさ.

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1997年4月 7日

Greatest Jazz-49(ジュリー・ロンドン)

ジュリー・ロンドンの持ち歌で一番ヒットした『Cry Me a River』.この曲で物憂げな歌声に惚れ込んだ.

声量のある人ではないのだが,サラリと物語るようでいて気だるげ,そんなところがいい.どうも,アストラッド・ジルベルトといい,スザンヌ・ベガといい,ソウルフルに歌い上げる人よりも,語るようにサラリとしている歌声が好きなようだ.

このCDを買ってみて,びっくりしたのが『S' Wonderful』.NHK-FMで昔,アルファベット順に1曲ずつ選んでいく企画があって,その中の「S」がこの曲だったんだけど,歌手も分からないままに気に入ってしまって(ガーシュインの曲だとさえ知らなかった!),テープに取っていたのだが,それがこの人の歌だったのだ.やっぱり,昔から好みは変わらないなあとニンマリしてしまった.

あとお気に入りは『Black Coffee』,『You and Night and Music』

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| 感想 > 音楽 |

チェット・ベイカー・シングス(チェット・ベイカー)

高校時代に友人NKに聴かせてもらってすっかり気に入ってしまい、中古屋で入手.

名前を聞いて女性かな? と思い、ジャケットを見て男かと思い、歌を聴いてやっぱ女性かと思い、けっきょくは男だったという,つまりはそんな中性的な人物である.

本業(?)はトランペッターなんだそうで.トランペッターで歌うたい、っていうのはルイ・アームストロングもやってるけど,サッチモさんとはそりゃもう全然違う.トランペットもヴォーカルもさらりとしてて聴きやすい.

Amazonを検索していて思ったんだけど,同じアルバムタイトルで収録曲が違うCDがいくつもある.うーむ.なんにせよ,私の持っているCDの収録曲は上述のとおりである.

切なげで苦しげで,「どうかどうか,そのままでいてくれよ」という感じがヒシヒシと伝わってくる『My Funny Valentine』.たぶん,これが一番有名なんだろうけど,実は『I Fall In Love Too Easily』めあてで買ってしまったのだ.この曲をはじめて聴いたのが、映画「錨を上げて」.若かりしころのフランク・シナトラが歌っていて、すごく欲しかったのだけど、シナトラはこの曲をレコーディングしていないらしい.チェット・ベイカーはサビまでは悲しそうな、苦しそうな感じで歌ってるけど、あとで急に開き直ったかのように軽く I Fall In Love Too Fast と言っている.心の安定を取り戻したようで後味がよい.

他,お気に入りは『But Not For Me』

チェット・ベイカー・シングス

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