JOJOの思い出

ジョジョは何がいいんだろう?

中学当時,めったに漫画を買わなかった私がはじめて集めた漫画,それがジョジョです.(ジョジョの前には2冊しか買ってません)当時,3部が始まってたんですけど,2部にはまって買ったのでした.

根性だけじゃジョジョの世界では勝てません.ブラフ(駆け引き)で闘っていくのがいいんです.ジョジョの闘いは確かに殴る蹴るがあるわけなんですが,心理戦・頭脳戦の要素が強いです.

いつはまったんだろう?

上述の通り,中学のとき.当時連載されていたのは3部.けど,先にはまったのは2部.でも,ちゃんと1巻から読んだ覚えがあります.

友達と
「ポルナレフの妹っていうか本物じゃないんだけど出てきたんだよ」
「え,ほんと? かわいかった?」
「うん,見た限りでは」
という会話を交わしていた覚えがあるので,その回がジャンプには載ったがまだ単行本化されていない時だと思う.

なんで読み出したか全然覚えていないんだけど,たぶん,駅でバスを待っていたときに暇つぶしに読んだのではないかと思います.というのは,ジョジョを思い浮かべるとき,富山駅前に昔あった須田ビルの小さな本屋を思い出すからです(そのビルは,戦後,闇市が立っていたような代物で,今は取り壊されてありません).

最初,私は勘違いをしていました.第1巻の表紙,ジョナサンとディオが描いてあるんですけど,これを見て「真っ正直な典型的主人公とその友人でクールな人物が一緒に冒険をする話」だと思ったんです.全然違いました.最初から間違ってました.

ジョジョは何が奇妙なんだろう?

あと,「奇妙」というよりも「独特さ」の部類ですが,文章が多いです.あと,妙に蘊蓄が増えます(笑).それから,わざと書きにくいアングルを選んで書いてるとしか思えない構図が多いのと,断ちきりが多いことも特徴でしょう.

お気に入りは?

気に入った部を順に挙げると3,2ちょっとはなれて4,だいぶはなれて1,5です.5部が好きな人,ごめんなさい.

第一部はとりたてて気に入ったキャラクターがいないんですが強いて言うならエリナさんですかねぇ.「第一部で印象に残った台詞は?」と問われたときにジョナサンの「ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!!刻むぞ血液のビート!」ではなく(なんなんだ,この台詞・・・)ディオの「俺は人間を止めるぞ,ジョジョー!!」でもなく,エリナさんの「美しすぎます!」なんですよ.(あ,あと「あしたっていまさッ!」も頭に残ってるんですが,誰が言ったか覚えてない) 涙を流しながらジョナサンに口付けをしているシーンが可哀相で可哀相で.

第2部! これは間違いなくジョセフ! 「主人公」って奴はたいてい好きにならないんですが,ジョセフはいい! ジョセフがいなけりゃジョジョにはまってない.人をおちょくらせることにかけては右に出る物がいませんね.しかし,ジョナサンの孫がどうやったらこうなるんでしょう?(外見,そっくりなのに) 「ジョースター家の男子は代々短命」の法則を打ち破り,しかも「生涯1人の女性しか愛さない」の法則も打ち破ってしまった(笑)人物.頭の良さ(というより狡賢さ)では歴代主人公の中でNo.1でしょう.親にまで「どうしようもない天才イカサマ師」などと言われてしまう.あと,騒がしさにかけても随一でしょう.ジョースター家の男子というと,たいていは「静かなる男」なんですがね.ジョセフの息子である杖助もあんまり静かそうじゃないですね.(でも,ジョセフの息子だけど頭は一番悪そう)

第3部.買っていた当時,一番好きだったのは花京院です.クールさと知性を持っていてそれでいて控えめで好きでした(今も好きだけどね).でも,今,あらためて考えるにポルナレフの真っ正直さが気持ちいいです.実の所,主人公と称していいほど動いてる人ですね(実はそれもいまさら気付いた).

第4部は岸辺露伴です.むちゃくちゃ性格悪いんですけどね.こんなわがままな人が「天国の扉(ヘブンズ・ドアー)」なんて強力な能力を持っていていいんでしょうか? あと,歴代のボスの中で一番好きなのが4部の吉良吉影です.猟期殺人犯なんでしょうが,「植物のように生きたい」と全く積極的でないところ,あと猫草を観察している話が好きです.

第5部はピストルズNo.5かな.ミスタに向かって「立チ上ガッテオクレヨォ」と言って泣いているところでガツンときました.しかし,スタンドの癖に自己主張激しいですね.いま,僕の疑問はピストルズが食った物はどこに行くかです.あと,ミスタinトリッシュ.女の子が銃を構えている図ってのはいい.足が見えてるのがいい.

なんでまたはまったんだろう?

それはもう,ゲームのせいです,間違いなく.

実は,ジョジョの単行本は一度手放しています.近所の「貴文堂」という古本屋に売り払ったのです.(しめて500円だったことも覚えている)

さて,1998年9月20日,『Gamest』に「カプコンから『ジョジョの奇妙な冒険』の対戦格闘ゲームが出る」という記事を読みました.なぜ今時第3部のキャラなんだ,とは思ったんですが,ちょっとやってみたいな,と.しかし,その後,忙しくなったこともあって忘れ去っていました.(ちなみに,その話を友人にしたところ,「ジャンプにポルナレフ出てるね」と言われ,「何ぃ!」と思って以降,全然読んでいなかった5部を読みだしました)

その後,思い出したのは忘年会の日.I先輩が「JoJoの格ゲーが出ててさー,敵に子供にする奴がいるんだけどさー,ジョセフ使うと若い頃のジョセフになるんだよ」と言っていたので,「あ,そいつは見たいなぁ」と思いました.それが12月21日.でも,別にゲーセンにダッシュする気にはなりませんでした.「ま,そのうち・・・」程度の思いで.

さて,私はその頃,スタートレックのLD-BOXを買い漁っていて,祝日前の22日はワクワクしていました.「明日は休みだし,研究室を8時ごろに出たらバシに行ってsecond seasonのvol.1を買ってそれから,夜通し見てよう」という魂胆だったのです.しかし! ヨドバシにそれはありませんでした.私はあまりのことに愕然としてしまいました.祝日の計画はもろくも崩れ去りました.なんせ,出たのが8時,他の店もほとんど閉まってしまっていてどうしようもなかったのです.

傷心のあまり,ゲーセンに行きました.そして,そこにそれはあったのです.

最初,見物していたんですが,ほどなくニヤニヤせずにいられなくなりました.だって,ときどきでる,「コォォォ」だの「ギュバーーン」だのという擬態語文字,中間デモ,キャラの動き,再起不能(リタイア)の文字,「To be continued」の矢印,もう,原作を知っていたら喜ばずにいられない演出だったのです.すぐに,これを作った人はジョジョが好きで好きで堪らない人だったんだろうなぁと思いました.

しばらく見ていて,話は覚えてるんだけど,細部を忘れているもの(ポルナレフの「頭脳が間抜けか?」という台詞,を忘れてました)があること,さらには全然覚えがない話があること(なんと,ヴァニラ・アイス戦が私には全然覚えがなかったのです)

こうなると気になって気になってしょうがありません.それで,「3部は買い揃えるぞ,買うの2回目だし,もう手放さないだろう」という覚悟で古本屋を巡りました.一度など,徹夜明けの日に9時から20時まで吹雪だというのに歩き回っていて死にそうになりました.(本当に,道の途中でぱったり倒れそうでした)どこに行っても3部がないのって絶対にゲームのせいだと思い込み,その心情は分かる!と1人で同意していました.(なんせ,普通の本屋でも3部だけごっそり抜けている)

なかなか集まらず,漫画喫茶に言って金が足りるのかと脅えつつ7時間ぶっ続けで読んでたりもしました.しかし,13巻から53巻までしか読めませんでした.しかも,最後の方は「目は追ってるんだけど頭に入ってない」状態でした.ジョジョはやっぱり余裕を持って考えながら楽しまなくちゃ駄目ですね.

明けて1999年1月11日,やっと3部がそろいました(12巻は除きますが,まあ無くても困らないでしょう).残念なのはカラー原稿を見られないことです.結構,カラーページが長いんですね.1話丸々カラーとおぼしきところ(巻頭カラー?)が多々あって,それだけに悔しいです.