或いは,さほどには役にたたない雑学と,珍しく役にたつ雑学と,本当に役にたたないおまけ.
勤務先では,いろんなものが回覧されるのですが,ある日,回ってきた雑誌を眺めていたら,「折紙」の話が載っていたのです.
ここで言う「折紙」は,鶴を折ったりやっこさんを作ったりするアレではありません.
現在,贈答に現金を使うことは失礼とされていますが,中世の日本では,お金自体を贈答に使うことがあったというのです.ただし,贈り方に作法があり,まずは,金額を示した紙を先方に送り,現金は後から届けたのだそうです.この,「金額を示した紙」のことを「折紙(=半分に折ったかららしい)」と言うのです.
雑誌に載っていた記事(というか,論文紹介)は,この「折紙」が,そのまま他人へと移譲されて,あたかも手形のように使われ流通していた(だから,折紙銭と言うらしい),という話(論文自体はその詳細について)でした.
と,ここまで読んだとき,「あ〜,大将に借金があったら面白いなあ」と思ったのです(なぜ,思考がそう飛ぶ?).すんごく昔の借金で,今じゃ利子が膨れあがっている,ての.
だから,題名と内容が乖離しているんですが,思いついたきっかけに敬意を表して『折紙』としておきました.きっと意味が分からなかったと思います.すいません.
ところで,この折紙銭ですが,不履行の時も多かったようです.また,もともとが贈答品だということで,利子は付かないものだそうです.ますます話の中身と乖離してますね.
世界史的には,そもそも「利子」という考え方自体,昔は邪道とされている地域が多く,法律で禁じられているところが多かったようです.今回,話では複利で計算していますが,そんなものは言語道断で,利子を許していても単利だけ,という立法も多いようです.悪名高き「徳政令」も,実は,利子付きの借金だけが対象だったようですよ.
と,ここまで調べましたが,幻水世界には借金取りもいることだし,と思って気にしないことにしました.(調べた意味は?)
借金がべらぼうに増えていた方がインパクトあるだろう.となると,やっぱり複利計算.
そういや,複利計算は,高校の時数列だか級数だかで習ったなあ,と思いながら,計算してみました.
元金a円,年利r,複利計算は1年に1回とすると,n年後の元利合計はいくらになるか.
なんだ,思ったよりあっさりしてたな.もっと楽しい計算だと思ってたんだけど.まあ,いいや.
この式にあてると,元利合計が出ます.元金は大きい方が借金額も多くなるけど,個人の借金として考えられうるのはいくらぐらいかなあ,と装備品の表とにらめっこして,まあ,100万ぐらいか,と決めつけます.
じゃ,大将はいつ借金したことにしようか.寝かせていた期間が長い方が額は多くなるけど,真の紋章を宿していることを知らないと,借金取る方が取りに来ないでしょう,ということで70年前より後.
ここで,全体としてどんな話にするか考えてみます.借金額は装備品をもとに算出しているので(インフレ率は考えていないけど),戦争に巻き込まれた時に借りたことにしよう.あと,借金を取る方がまだ生きていないと,誰も借金をとりに来ないだろうなあ.
ということで,真の紋章を継承した後から50年前の戦争に参加する間,ということにしました.
利率はどうしようかと思ったんですが,まあ,1割ぐらいにしておくか,ということで計算すると100万円の借金は……
まあ,5億もあればインパクトあるか.ということで,65年のつもりだったんですが,「65年前だから」というセリフより「60年前だから」の方が言いやすいとも思ったので,どっちにしようかけっこう悩みました.
ちなみに,これが単利だったら,利子は毎年100万の1割の10万なので,65年間でも利子は650万,元利合わせても750万です.恐るべし,複利計算.みんなも借金には気をつけような!よい子のお約束だ.(よい子は借金しません)
そして,本当に役にたたない「Making of 『折紙』」