The_Cajun's_Portrait

紹介

本名 Remy LeBeau 。フランス語読みなので「レミー・ルボー」である。通称が Gambit(ガンビット)。フランクな口調の連中からは Cajun (ケイジャン)とも呼ばれる。たぶん、口調が丁寧な人(教授とかスコットとか)はケイジャンとは呼んでないと思う。

Beau にはフランス語で「美しい」とか「きれいな」という意味がある。また、名詞として「おしゃれな男」「伊達男」「めかし屋」「気取り屋」の意味もある。狙ったのかどうかは知らないが、笑えるネーミングである。

gambit とは元々チェス用語で、「ポーンなどを捨て駒にする指し初めの手」の意味。転じて「交渉・会話などで先まで計算した上での手始め、切り出し」の意味もある。多分に相手への心理的効果を主目的とするようです。なんか、ひねた名前だ。

元・盗賊。とかいいつつ、今でも盗賊やっている気がする。じゃ、現在の職業は何かと言うと… X-MEN というのは職業になるのだろうか? ま、いちおう、「冒険者」ということにしておこう。なにがどうなったのか、現在、盗賊ギルドの長にして X-MEN のリーダー。いつの間に・・・

家族は養父 Jean-Luc LeBeau(ジャン=リュック・ルボー)。あとは別れた妻 Bella Donna Boudreaux(ベラドンナ・ブードロー)

現在の居住地はニューヨーク州ウェストチェスター郊外のセイラムセンターにあるエグザビア高等学院。その前はルイジアナ州・ニューオリンズ,フランスのパリ,イリノイ州カイロなどを転々としていた模様。

コミック初登場は1990年9月の THE UNCANNY X-MEN #266 で、この回は子供にされてしまったストームを助ける謎の男、という役どころ。

身長 6'1"(約185cm)、体重175lbs(約79kg)。瞳は赤,髪は茶色。

力は常人並。ストリートファイトとアクロバットを使っての接近戦はかなりの腕である。彼の弾除け・はじき・投げ返しのテクニックは凄まじいものがある。のわりに、よくわかんない相手にポロリと負けたりするのがなんとも言えない。投擲技術にたいそう長けていて、ナイフや投槍、トレードマークでもあるトランプをよく投げている。戦うときはたいてい長い白い棒で接近戦をこなし、エネルギーを込めたトランプを飛び道具にするというスタイルである。よくバスケのかっこうをしてるし、やるとうまいからバスケは好きなのかもしれない。

英語とフランス語のバイリンガル。ちょっぴり日本語も話せちゃったりするけど、こっちは相手に「私の英語のほうがマシ!」と言われているぐらいなのでたいしたことはない。

ガンビットのミュータントとしての能力は物体のポテンシャルエナジーをキネティックエナジーに変換することである。えー、用語的には私は違和感を感じるんですが。普通の意味では、ポテンシャルエナジーは日本語でそのまま「ポテンシャルエナジー」と呼ばれるかもしくは「位置エネルギー」と呼ばれるもの。キネティックエナジー(カイネティックエナジーと発音する人もいる)は運動エネルギーのことです。 エネルギーをチャージされた物体は淡い光を帯び(たいていは赤い光)、衝撃を与えると爆発する。大きな壁等に直接チャージして崩壊させることも可能。ともかく、質量が大きいほど爆発力も大きくなる。カードを切らしたとき、その辺の石を拾って投げつけていたが、「このほうが威力が大きいところが悲しいところだ」とかなんとか言っていたこともある。…カードはただの伊達かい!! もっとも、質量が大きいとチャージに時間がかかるようでもあるが。ちなみに、エナジーチャージをできるのは動かない物体(=無生物)だけ。もし生物にチャージできたら最強になってしまう。触れば勝ちだ。

原書を読むと分かることなんですが、彼の英語は訛ってます。フランス語が混じるってのもあるんですが、すぐ目に付く特徴として有声音の th が d になるらしきことです。といっても、程度や表現はライターによって違うみたいですが。

経歴

生まれはルイジアナ州ニューオリンズ。元々は孤児で、本当の両親は知らない。幼い彼にまともな稼ぎがあるはずもなく、人様のものに手を出して食いつないでいた。そんなある日、狙った相手が悪かった。あろうことか、盗賊ギルドの頭領 Jean=Luc ReBeau(ジャン=リュック・ルボー)の財布を狙ったのである。当然、つかまってしまうが、なぜか、ジャン=リュックはレミーを気に入り、養子にしてしまった(Gambit 1st mini-series #2, Gambit #1)。以降、彼は盗賊ギルドで成長していく。とはいえ、ミュータントであるがゆえの特異な容姿(瞳が赤い)のせいか、LE DIABLE BLANC(ル・ディアブル・ブラン=白い悪魔)と呼ばれ、ギルドの一員でありながら微妙に距離を置かれていた(Gambit #12)。ジャン=リュックがレミーを養子にした理由も Gambit #12 で語られる。

さて、ニューオリンズには盗賊ギルドと敵対関係にある暗殺者ギルドがあったのだが、両者の間で和平協定が結ばれることになった。その証に盗賊ギルドトップのジャン=リュックの息子レミー(=つまり、ガンビット)と暗殺者ギルドトップのマリウス・ブードローの孫娘ベラドンナとが結婚することになった。つまるところ、政略結婚である。もっとも、レミーとベラドンナは前から恋仲で何事もなければ幸せな家庭が築けたかもしれない。だが、そううまくはいかなかった。ベラドンナの弟ユリアンは和平協定も婚儀にも反対であり、ガンビットに決闘を挑んだのである。挑まれたガンビットはユリアンを返り討ちにしてしまう。正当防衛であることは誰もが認めたが、暗殺者ギルドの頭領の血縁者を殺してしまったことには違いなく、協定を維持するためガンビットはギルドを離れ、妻を置いて故郷も離れることになった(X-MEN #8)。以降、あてどない風来坊生活になる。

この風来坊生活の頃に X-MEN 最大の敵のひとりシニスターの仕事を何度か請け負ったことがある。殺し屋集団マローダーズの人員をあつめ、地下で密やかに生活していたモーロックスと呼ばれるミュータントたちの元へ案内するのが最後の仕事の内容だった。ガンビットはシニスターが何をしようとしているか分かっていなかった。が、気づいたときには遅く、マローダーズはモーロックスを虐殺していた。止めようとしたガンビットもマローダーズのひとりセイバートゥースに半殺しの目に遭い、結局、助けられたのは女の子(=後のマロウ)がひとりだけだった(THE UNCANNY X-MEN #350)。この後もセイバートゥースとは因縁があるようだ。

ガンビットが X-MEN の一員になった理由はかなり希薄である。きっかけ子供にされてしまっていたストームとの出会いである。大人の記憶も能力も失っていたストームを追っ手から救ったのがガンビットであった(THE UNCANNY X-MEN #266)。その後、しばらく、2人は組んで義賊気取りで盗賊稼業をしていたのだが、迫る追っ手の脅威にさらされるなか、記憶を取り戻したストームがガンビットを X-MEN に誘ったのである(THE UNCANNY X-MEN #267)。特にあてもなかったガンビットはなんとなくX-MENに加わる。しかし、幼児に盗賊なんかさせるガンビットもガンビットである。育ちが育ちだからしょうがないか…。

X-MEN の一員のローグと恋におちる…が、ガンビットは過去が過去だからか肝心なところで距離を置こうとするし、ローグはローグでその能力(=肌が触れ合った相手の能力・記憶を吸い取ってしまう。自己制御不可能。初恋の相手を廃人にしてしまった悲しい過去もあり)ゆえに普通の接し方ができないため、なかなか進展しない。

シニスターの片棒を担いで虐殺事件を引き起こしてしまったという過去をひたすら隠してきたガンビットだが、とうとうそれを他の X-MEN たちに知られてしまう。結果、南極に上半身裸で置き去りにされてしまった(THE UNCANNY X-MEN #350)ガンビットであったが、なんとか生還。置き去りにされた後、南極で何があったかは Gambit #0,#1, '99 ANNUAL に詳しい。その後、偶然ストームと再会(THE UNCANNY X-MEN #361)、わだかまりはあるものの X-MEN に復帰した。

現在はローグとともに X-MEN のリーダー。めでたく盗賊ギルドも継いでしまったようだ。忙しいな、ガンビット。


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