花京院典明

国籍日本
年齢17
星座獅子座
血液型A
髪の色
瞳の色
家族構成両親ともに健在である.しかし,このエジプトへの旅行は,実は家出のような形で日本を離れているため,家族のまわりでは大さわぎのはずである.
身長178cm
体重65kg
趣味趣味かどうかは知らないが,かなりのゲーマーであることが発覚している.
好きな色きらきら光る緑色
好きなミュージシャンスティング
好きなプロ野球チーム巨人
好きな俳優田村正和
好きな食べ物さくらんぼ
性格彼は一見して女性的に見られがちだが,実は違う.人に頭を下げたり,従属したりすることを非常に嫌う.尊敬するところのある者とだけ友人になると思っている.その場合,寛大で優しく,相手を立て,思いやる.率直で優しいということは,一方で,秘密や心の裏に陰謀のある人間を徹底して嫌う.彼は,ひかえ目だが,チームの和を保とうとする気持ちは,だれよりも強い.
スタンド法皇の緑(ハイエロファントグリーン)
以上,主に15巻より

DIOの放った第一の刺客.天然記念物(=生まれついてのスタンド使い)その2.髪型重力に反してる生物その1.

ぶん殴って気絶させてDIOへの忠誠心を引き起こさせる肉の芽を抜いたら仲間になった.彼がDIOを倒す旅に同行してくれたのは

が大きな理由でしょうが,もともと正義心が強く困った人がいたら助けずにいられない性格だったためもあるのだろう(たぶん).

リアルタイムで読んでいたときに一押しだったのがこの花京院.回を重ねるにつれ登場時の気障で偉そうな態度はどこ行った? というほど,ほどよく性格が丸くなり穏やかになりました.しかし,そこはかとなく変な人.涼やかに変な人.

性格の変遷

花京院は初登場時,気障で偉そうでカッコ付けマンでどうしようもなかったんですが(そこまで言うか),後のほうで穏やかで優しい性格になります.この変化が無ければ私は気に入ってなかったと断言できます.だんだん仲間になれてきて本当の性格が出てきたのだと解釈しておきましょう.

だいたい,ポルナレフが仲間になってしばらく経ったあたりで性格が安定して,いい感じになります.

性格の変化で分かりやすいのが一人称「わたし」から「ぼく」への変化です.「我がスタンド」とか「私のスタンド」と言っていたのも「僕の」になります.最初に「ぼく」と言ったのは「暗青の月」のエピソードで,「ぼくらは学生でして……ガクセーはガクセーらしくですよ」という台詞.最初がこの台詞とは(苦笑).でも,このエピソードではまだ偉そうです.次のエピソード「力」ではいったん「わたし」に戻っていて台詞回しもどうも固いです.次の「悪魔」と「黄の節制」ではまぁ2回休みといったところですが,「黄の節制」最後ででかの有名な「レロレロ」を披露して以降,次の「皇帝と吊られた男」で言動が固まりました.ポルナレフもこの回で性格・言動が固まります.

レロレロのことなんですけど.この人,いいとこの坊ちゃんぽくて礼儀とかマナーとかしっかりしてそうなのに,人前でさくらんぼをあんなふうに食っていいと思ってるんでしょうか? 疑問.

以下,気障でエラソな言動特集.

初登場時,スタープラチナをちょっと見て「わたしのスタンドの敵ではない」

はっきり言って,ハイエロファントはスタープラチナと接近戦すれば負ける.最初から人質取るつもりだったな,こいつ(笑).

操縦室へ向かう承太郎に邪険にされたスチュワーデスに
「失礼……女性をじゃけんに扱うなんてゆるせんヤツだが…今は緊急時なのです.ゆるしてやって下さい」

なんなんだ,おめーは! と花京院に殺意を抱いた台詞(笑).おめー,それで17か!? 言われたほうも「はい」じゃねーだろ! なんかこのあたり,2部のシーザー的である.もしかしたら,このまま女好き路線を突っ走る恐れもあったのではなかろうか?

香港でお茶についての蘊蓄をたれる.

けっこう,蘊蓄たれ野郎である.まぁ,別にそれ自体はいいんだけど,この時の言い回しが自慢げでいやだ.家族でエジプト旅行してるし,香港にも来たことあるみたいだし,いいとこのぼっちゃんなんだろうなぁ.

モノローグが多い人でもあるのこと

思考が文章として書かれる,という意味ならたしかにジョセフ・承太郎・ポルナレフも書かれたときはある.が,花京院の場合,ふと思い出すように過去を語り,想いを語るという感じのモノローグがある.しかも,かなり長文の.

注意して欲しいのは,このモノローグは復帰後に語られ出したことである.これについては八木山ねーさんが意見を述べてくださった.

花京院のことですが,実は荒木先生は花京院が同行する理由を最初,考えていなかったのでは? だからホリィさんのことをああいうふうに花京院に語らせたのでは.それで,カイロへ進むうちに動機づけができたので,復帰後のモノローグが長い,と(あくまで推測).

うーん,それは考え付かなかった.なんか性格変わってるなァとだけ思ってました.

さて,1回目のモノローグはダービー弟戦である.語られるのは花京院がDIOにであった時のこと.DIOに会い,恐怖した自分,それに対して「恐れることは無い」と声をかけられ,ほっとした自分.それを花京院は「屈辱」と取っている.精神的に屈した自分を許せないと思っている.だからこそ,旅に同行したという.

恐怖(=DIO)を乗り越えるために旅に同行したと解釈してよかろう.これは,プロフィールで語られている「人に頭を下げたり,従属したりすることを非常に嫌う」という性格にも合致している.

だからこのゲームでこの花京院典明に精神的動揺による操作(コントロール)ミスは決してない!と思っていただこうッ!

と締められるモノローグ.「決してない!」とつーちょんで終わっているとこが実に荒木節.でもって,「いただこう」って部分が花京院らしい.(かな?) あ,あと,「この花京院典明」っていうのも彼の誇り高さを表している.

しかしだぁね,「だから」という接続詞はよくよく考えると変.いや,「恐怖に対して鍛えられたから」「精神的動揺はしない」っていうんだろうけどさ,普通,できないよ? 17歳にしてそれができるのがすごいところだ.

2つめのモノローグはDIO戦の前.例の「自分は違う」という思想が語られるところだ.僕はここを読んだとき「冷静沈着で年の割に大人っぽいと思ってたけど,普通に思春期やってたんだなぁ」と意外に思った.誰だって「じぶんはちがう」という思いを(程度の差こそあれ)潜り抜けてくるものではないか?

このモノローグで彼が自分のうちにこもって孤立している幼年時代が語られるわけだが,どうも性格が変わっている気がする.プロフィールにある,

一見して女性的に見られがちだが,実は違う.人に頭を下げたり,従属したりすることを非常に嫌う.尊敬するところのある者とだけ友人になると思っている.

からうける印象はこのモノローグよりももうちょっと攻撃的なものだ.また,協調性があるということになっているのだが,「協調性」なんてものは長じるにつれて少しずつ身につけていくものであり一朝一夕に身につくものではない.学校で友人と遊んだりしゃべったりしていなかった人間に「協調する」なんてことは難しいのではなかろうか? (わがままとかじゃなくて,どう振舞えばいいか分からないということ) あと1つ,性格が変わっている気がする理由.

さて,今度はモノローグで語られている思想について.実は,僕はこのモノローグを読むたびに失笑してしまう.2つの点で彼には同意できない.

ひとつは論の展開があまりに単純だからである.住所を教え合うような人がたくさんいることが理解者がいる・心を打ち明けられる人がいることになるか? 有名な人だからといって気持ちが通い合う人が多いのか? 違うだろう.むしろたくさんの人に囲まれているにもかかわらず,誰一人として理解者がいない,自分のことをわかってくれる人がいないってことは往々にしてあることではないか.

いまひとつは,彼が自分と同じスタンド使いの仲間ができて「真に気持ちが通い合う」人間が現れたと思うわけなんだが.ここの部分がちょっと残念.なんでかといえばこれまた理由は2つ.

まず,はたして,理解者の出現が彼の悩み(?)の解決なのだろうかということ.自分の事を何もかも分かっている人間なんて,私は願い下げだ.冗談じゃない.(さらに,「わたしはあなたのことが分かっているよ」という態度をことあるごとに取られたら最悪だ)むしろ,「じぶんはちがう」を押し進めて,自分がひとに分かられてたまるか俺はそんなに底が浅くない,という自分に対する誇りを持つことのほうが解決なんじゃないだろうか.まぁ,理解者が現れること(というより,理解する下地のある人と出会うこと)が喜ばしいことである点は分かるんだけどね.

もう1つは「スタンド使い」であることがポイントになってしまっている点.きっとスタンド使いでないけど彼に「仲間」だと認識できるような人は存在しうると思うんだよ.彼はそういう人に会う前に死んでしまう,それが私にはとても残念なのだ.

このモノローグで感動的な点は,たぶんにトラウマであろうハイエロファントの「他人に見えない」という属性,それを仲間のためにあえて押し進めて利用するというところだと思う.結果が悲劇的なだけによけい印象に残っている.

高校側から見るとこうだッ!

編入時,家庭は上流らしいし,本人も品行方正・成績優秀なので編入を許可したところ――

転校2日目にして札付きの不良と保健室でいざこざを起こし,そのままその日はふけてしまう.それからすぐに家出・行方不明,50日近く経ったところでエジプトにて遺体発見.

いやぁ,ほんと「何者?」状態だなぁ.友人も全然いなそうだ.

親も何が起きたか全然理解できないだろう.ジョセフや承太郎は葬儀に行ったのだろうか? 行けたのだろうか? ああ,やっぱり親がかわいそうだ.

花京院典明君は転校生であるのこと

ひとつ,仮説を思いつきました.名付けて「花京院は転校していなかった説」.(名前をつける意味があるのだろうか) というのは,

という事実.特に後者の理由が大きい.そうそう都合よく親が承太郎の住む地域へ転勤になるとも思えない.また,息子がごねたからといって高校を変えることを許す親もいないだろう.中退というならともかく,高校を変わるには経済的な理由から親の助力が不可欠なわけであり,その決定には親が大きく関わる.

ならば,「転校した」と考えるよりも,「行っていた高校を無断欠席して承太郎のいる高校へやってきた」と考えた方がつじつまは合う.高校で襲うのならガクラン来てうろちょろするのが一番目立たない.

また,転校生というのは目立つ存在である.学校に行っていなかった承太郎はともかく,承太郎をとりまく女子学生が花京院のことを知らないのは考えられない.

それに,彼は承太郎が保健室に行ってちょっとしか経ってないうちに襲ってきている.しかも,廊下側からでなく,窓から侵入している.教室にいたとは思えない.

よって,風景を描いているふりをして石段辺りで登校してくる生徒を見張り承太郎を確認,ためしにちょっと攻撃,ハンカチを渡して「傷の手当てをするといい」と言ってさりげなく高校へ先に行き,承太郎が保健室に行くのを確認して襲ったのではなかろうか.

花京院の家族について

いきなりだが,花京院君の家族について考えてみようと思う.

まず,この人は一人っ子だと思う.いたとしても姉が1人ぐらい.それも,弟に対して命令したりしない人.理由は特に無い.強いて言うならば,花京院君の性格が一人っ子か末っ子という感じがするから(ぜんぜん理由になってない).いや,なんつーか,ポルナレフとの掛け合いの感じとかモノローグの感じがそうなのですよ(やっぱり理由になってない).

家庭環境は良い.ごく普通の(かどうかは知らんが)幸せな家庭.ただし,みんな揃って物静か.「一見,幸せそうでいて実はギスギスしてる」ってんじゃなくて,本当に穏当な家庭.これはなんでかというとですね,花京院のモノローグなのですよ.

母には父がいる.父には母がいる.

まず,ここ.これは両親が仲睦まじくなければ言えない台詞.それが傍目にも分からなければ言えない台詞.で,花京院は感性鋭そうだから本心見ぬきそうなんで,本当に仲がいいのだろうと思われる.

で,次.DIOにやられたときに,花京院はふと両親のことを思い出すわけですが,これは両親のことを相当思い遣っていなければ出てこない.少なくとも,ギスギスした関係だったら「心配かけてすいません」という台詞はでてこないだろう.ま,そういうことで(どういうことだ?).

以下,さらに根拠の無い話.父親は外交官とか官僚とか大企業の上層部とかで物静かな人.母親は専業主婦で,これまた物静かな人.で,花京院はというと,この2人にものすごく従順だろうと思う.といって,父親とはめったに話しそうに無い.黙って見守っているような父親だと思う.母親の方も理不尽なことを言う人じゃない.

両親に対して花京院は完璧な敬語を使ってるんじゃないかと思う.それが母にはちょっと悲しかったりなんだりして.花京院が両親に対して対立したりしないのはスタンド使いであるということをひたすら隠すために完璧を期すよう幼いときから気を使っていたらそうなったという感じ.花京院が不幸であったとしたらその一点ではなかろうか.


「花京院」という地名を広めた功績は大きい(広めてへん,広めてへん).「花京院」って仙台の地名なんですよ.友人N曰く「最初この名前きいたとき,なんちゅう変な名前やろかと思ったわ.花の都の院でしょう?」そーかなー.そんなに変かなー.いや,人の名前としてはそんなにいそうにないけど(いるのか?)地名としてならそう変じゃないと思うんだが.

なぜか知らないけれど,僕は花京院のフルネームを思い浮かべると時に「かきょういんてんめい」というフリガナをふっています.頭じゃ「のりあき」だと分かっているんですが,とっさに出てくるのが「てんめい」.だから上記の小見出しも「かきょういんてんめいくん」と読んでください.