ベアボーン組み立て記

用意した物

ベアボーン
外見で買ってしまったソルダム社のMJ-A2という物.これは,ケースが斜めになっているJAZZというケースをキューブPCぐらいの大きさにしてみましたという感じの物です.くっついているマザーボードはShuttle社のFN41です.
CPU
これが無くちゃ始まらないPCの心臓(どちらかというと頭脳か?).FN41は取り付け部がSocket Aという規格のもので,CPUの種類で言うとAMD社のAthlon XPなどが載ります.最初に用意したのはAthlon XP 2600+(Throubredコア).数年経って換装したのがAthlon XP 3000+(Bartonコア)です.
メモリ
FN41には184pinのDDR SDRAMという種類の物を2本載せられます.同容量・同規格のメモリを2枚搭載した場合は,デュアルチャネル化という技術でデータのやりとりが早くなります.最初に使っていたのがDDR SDRAM PC2700(256MB)×2本で,チップにはiSTARと書いてありました.数年経ってDDR SDRAM PC3200(1GB)×2本と取り替えました.チップはhynix社製.
HDD
定評のあるMaxtor製のDiamondMax Plus 9 (6Y060P0)です.マザーボードがATA133(データの転送の規格.速度に影響します)対応しているというので,ATA133の物を買いました.回転数は7200rpm,キャッシュ8M,容量は60GB.流体軸受けを使っていて,回転音が静か.
FDD・カードリーダー
最初は前のPCから外した物を使っていたのですが,あとでSOLDAMのMule IIIに取り替えました.これはUSB接続のカードリーダーとFDDが一体になっている物で,非常に便利.FDDの使用頻度が落ちてきているのに比べて,CFカードやSDカードはデジカメ,携帯電話,電子辞書などいろいろな機械に使われていますから.
光学ドライブ
最初は前のPCでも使っていたI-O DATA CDRWD-AB1210Jを入れていました.CD-RW/DVD-ROMのコンボドライブです.後でSOLDAMから色を合わせたスーパーマルチドライブDMI0516BPN Sを買いました.中身はPioneerのDVR-111です.これでDVDにも書き込みができます.
プラスドライバー
各種ドライブをネジ止めするときに必要.
マイナスドライバー
CPUクーラーをつけるために使っただけなので,他の工具でも金具が押し込めればいいと思う.まあ,マイナスドライバーが一番身近だと思う.
OS
Windows XP HomeのOEM版.OEM版は,ハードと一緒に買わないといけないのですが,通常版より安いのです.今回はCPUとメモリを同時に買ったのであります.余談ですが,オークションなどではOEM版を売るためにFDDドライブ(今もっとも安いであろうパーツ)をわざとくっつけている場合が多々見受けられます.

組み立て

上下が補強されたSOLDAMの白い段ボール.

MJ-A2はこんな具合に送られてきます.

いそいそと開けてみると,銀色のMJ-A2と説明書やケーブル等の入った白い箱が出てきました.高さ260mm,幅212mm,奥行き310mm.かわいいしょ?

中身の確認をしたらいざ組み立て開始.

カバーの取り外し

まずは,カバーを取り外します.このケースは指でネジを回せばいいだけなので,外装カバーを外すのは簡単です.外したネジ(特にワッシャー=ネジにはさまっている輪っか)は無くさないように小箱にでも集めておきます.

ベイマスクは中のネジをプラスドライバで外します.

外装カバーは残しておくと作業がやりにくくなるので,全て外します.今回,5.25インチベイに光学ドライブ,3.5インチベイにFDD/カードリーダーを突っ込む予定.

CPUの取り付け

Athlon XPは正規品(リテール)で買いましたので,写真の左のようなパッケージに入っています.

中身はCPUとCPUを冷やすためのファン(以降,CPUクーラーと表記)です.

最初の写真がAthlon XP 2600+(Throubredコア)で,次の写真がAthlon XP 3000+(Bartonコア)です.

機械物はいかに冷やすかが非常に大事.CPUも放っておく熱暴走で壊れてしまいます.昔のCPUはそんな勢いで動作しなかったから要らなかったという話も聞きますが,今のCPUならクーラーは必須です.

ちなみに,ThroubredとBartonはコア(真ん中に載っているすべすべした四角い物.写真では赤紫っぽく写っています)の大きさが違います.Barton(写真左)のほうがすこ〜し大きい.

マザーボードのCPUを載せるソケットは,真四角で方向なんてないように見えるのですが,よく見ると,スミまで穴がないところがあります.コレ大事.

レバーを上げまして……

CPUの裏をよく見て方向を間違えないようにストンと落とします.

本当にストンとはまるもんなんです.ここで「はまらないから押し込む」というのは間違いです.ピンを折る前にCPUの方向とレバーを確認しましょう.

レバーを倒して固定します.

CPUクーラーの取り付け

今度はCPUクーラーを取り付けます.Socket Aの場合,馴れないと一番難しいのがこのCPUクーラーの取り付けではないかと思います.

写真はリテールファンの下側です.この部分は放熱板(ヒートシンク)で,熱伝導率の良い金属が使われます.

真ん中の四角い物はCPUとヒートシンクとの密着をよくして熱が効率よく伝わるようにする物です.新品のリテールCPUを買った場合は最初から付いていますが,そうでない場合は,別にCPU用のグリスを買ってこなければなりません.

換装などでこのグリスを取り除く必要が出てきた時は,ようじ等のCPUやヒートシンクが傷つかない物でだいたいの塊を落としてから,溶剤を染みこませたティッシュで拭くといいです.いきなり溶剤で全部取ろうとすると,最初は周りに広がるのでえらいことになります.

CPUクーラーを固定する金具は,ツメがある方とツメがない方があります.

まずはツメのない方の金具の3つの穴にソケット側のツメを通します.

こちらが反対側.今,浮いた状態になっている金具を押し込んでソケット側のツメを通します.金具のツメの部分にマイナスドライバを上から垂直にあてて,金具が開くように頑張りながら押し込みます.これがけっこう難しい.変に力をかけるとCPUのコアの部分が欠けて壊れてしまいます.

手前に立ち並ぶコンデンサが邪魔でした.(しまった,逆に付けたらよかったのか?)

苦労してうまくはまったら,CPUファンの電源ケーブルをマザーボードの所定の位置に刺して,装着完了.

CPUファンの電源ケーブルですが,写真だとマザーボードのFan 2の位置になりますが,どうもBIOSのメニューを見るとCPUのファンはFan 1かFan 3に付けることを想定しているようなので,あとでFan 1に入れ替えました(Fan 2だと温度によるファンの速度コントロールが効かない?).まあ,Fan 2 に接続したAthlon XP 2600+を数年動かしていましたが,特に何ともありませんでした.

ケースファン電源の取り付け

背面ケースファンの電源ケーブルをマザーボードに接続します.

FN41のファン用3pin電源は3つあって,これでCPU,背面ケースに使いましたので,残りはオンボードのグラフィックボード用ファンのために使います.位置的に言って,Fan 1=CPU,Fan 2 = グラフィックボード,Fan 3 = ケースを想定している物と思われ.

写真ではケーブルに輪ゴムを付けたままはですが,数年経ってからケースを開けたら,劣化したゴムがボロボロになってマザーボードの上に落ちていました.ケーブルをまとめておきたいなら別の物に変えた方が無難だと思います.

メモリの取り付け

今度はメモリを取り付けます.

写真はPC3200 DDR SDRAM 1GBのメモリモジュールです.下の金色のところがマザーボードに刺すピンですが,なかほどにピンの無い隙間(切り欠き)があります.切り欠きを挟んで左右で長さが違うので,マザーボードのスロットに刺す時は間違わないように.

マザーボードに目を転じまして,細長い青色の2本並んだ所がメモリスロットです(色はマザーによっていろいろです).両側の白いクリップはメモリの留め具になります(これまたマザーによって色は違います).ちなみに,これからメモリを取り付けるので写真では倒してありますが,最初は垂直になっています.

切り欠きや溝と合うようにメモリをスロットの上に載せて……

上から垂直に押してスロットにはめます.左右両側に親指を当てて均等に力をかけると良い感じ.

ちゃんとはまると,クリップが勝手に持ち上がってメモリの側面にはまります.

ATX電源ケーブルの接続

ATX電源ケーブルを接続します.20pinの横長のコネクタと4pinの正方形をしたPeripheralコネクタ両方をぶすっと刺しておしまい.

注意点があるとしたら,各種ベイに入れるドライブ類の接続の時に邪魔になるので,ケーブルはドライブのはいるところの外側を通すことぐらいかな.

各種ケーブル・コネクタの接続

前面パネルから出ているごちゃごちゃしたコネクタを接続します.まずは,スイッチ,LED等.マザーボードの配置図にどの色のケーブルがどこと丁寧に書いてあるので,その通りに接続.

あとは,オーディオコネクタ,USB2.0×2コネクタ,IEEE1394コネクタ,S/PDIFコネクタ.どれもちょうどいいぐらいの長さのコードが付いています.レイアウト図を見ながら正しい位置に刺していきます.逆挿し防止のために8pinコネクタの穴が埋まっているので,無理に入れようとしないようにすればまず間違えないでしょう.

背面からは特に接続をしなければならない物はありません.

FN41はUSBが4つ付けられる(その他に背面に2つ)ので,大変便利.

今度はハードディスクや光学ドライブを接続するIDEケーブルを取り付けます.

IDEとかATAPIとかATAなどといろいろと言われますが,まあ,一緒だと思っていいです.この方式の接続には1本のケーブルにつき2つ,スロットは2つなので,最大4つの機器を付けられます.ケーブルには機器を1つだけ接続するためのものと2つ接続できる物があるので,注意.

最初の写真は,FN41の付属のケーブルで,左がATA 100 IDEケーブル,右がATA 33 IDEケーブル.100の方がフラット部分の線が細かいのが分かるでしょうか?100とか33とか言っているのは,転送の速度の違いで,大きい方が速くなります.

説明書にあるとおり,100のほうをIDE 1コネクタに,33のほうをIDE 2コネクタに刺します.

今回は,ベアボーン内部の狭さに困っていたところだったので,別にスマートケーブルを買ってきました(写真左).内部空間を空けて,いかに効率よく排熱するかは大いなる命題です.

取り回しもスマートケーブルの方が楽ですしね.

それぞれマザーボードに挿します.

昔はなんとでもささってしまって,方向が逆で困ったなんてことがよくありましたが,いまどきはコネクタのところに突起があって,それがはまるようになる方向に刺せばいいようになっています(写真だと突起が向こう側なので,見えませんが).

フラットケーブルので言うと,赤い方をコネクタのpin 1の側(位置は配置図に書いてある)に刺すことになります.

あとはFDD用のケーブル.IDE用と似ていますが,あっちは40pin,こっちは34pinなので,比べれば分かります.

逆刺しに注意してマザーに刺しておきます.赤い方がpin 1ですよ〜.(写真が悪くて見えませんが)

FDD/カードリーダー,CD-RW/DVD-RAMドライブの取り付け

今回はMule IIIという,FDDとUSBカードリーダーが一体になった機器を3.5インチベイに取り付けます.

前側から差し込んでネジで固定した後で,電源ケーブル,FDDリボンケーブル,USBケーブルを刺します.

物が詰まってきたせいで光量が足りなくて,写真が分かりにくくなってきていますが,いちおう,スーパーマルチドライブの背面です.

このドライブはIDE接続で,セカンダリのマスタ(後述)にしますので,ジャンパの設定をマスタにしてから5.25インチベイに取り付けます.

あとは,写真のように電源ケーブル,IDEケーブル,オーディオケーブルを刺して終了です.

見れば分かる話ですが,電源のコネクタは,FDD用とHDD,光学ドライブ用とで全然別の形をしています.

ドライブに届く物をうまく接続していくのに苦労します.ベアボーン,小さいからなあ.

あと,HDD等用は刺しぐせをつけないとけっこう固いです.

HDDドライブの取り付け

お待ちかね,HDDを付ける時がやって参りました.

光学ドライブの説明の時にはしょりましたが,IDE接続について解説.

IDEの接続は,1つ目のコネクタをプライマリ,2つ目のセカンダリと呼んでいます.それぞれにつき2台接続でき,それぞれをマスタ,スレーブと呼んでいます.マスタが主,スレーブが副と考えればよいかと.1台だけ繋ぐのならマスタに繋ぎましょう.2台接続できるケーブルは,先端をマスタに,中ほどのコネクタをスレーブに繋ぎます.

マスタとスレーブですが,排他的にアクセスするので,同時にデータにアクセスしそうな機器はプライマリとセカンダリに分けた方が良いことになります.ええ〜と,プライマリのマスタとスレーブにつないである機械同士でコピーをすると代わり番こにアクセスが行われるので遅くなると書けば分かるでしょうか?

今回はIDE接続機器は2つしかないので,それぞれプライマリとセカンダリのマスタに付けます.IDE機器の認識はプライマリが先なので,システムをインストールするHDDはプライマリのマスタにします.

1枚目の写真が3.5インチHDD.

取り付ける前にジャンパピンでマスタ用のセッティングをしてやります.

2つめの写真につまようじと一緒に写っている黒い物がジャンパです.

このHDDの場合は,ジャンパの設定はHDD表面に直接書いてありますので,そのとおりにジャンパを挿します.

これで設定おしまい.

MJ-A2の場合,こないな場所にHDDを取り付けることになってます.

位置的にスレーブに他の機器をつけるのはケーブルの取り回しが難しいような気がします.

ハードディスクホルダーにネジ止めします.気合入れて,ネジ8本も使ってしまいましたが,いま説明書見たら「ネジ4本で留めろ」と書いてありました.(^_^ゞ

このハードディスクホルダをネジ(手で回して留める)で本体に固定します.

あとは電源ケーブルと,IDEケーブル(IDE 1から出ている物)を接続して終了.

完成

外装ケースを元に戻して完成です.

電源ケーブル,モニタ,キーボード,マウスを接続し,スイッチを入れてBIOS画面が出ればOK,OK.あとはOSをインストールするだけです.

お疲れ様でした.

ちなみに,CPUを換装したところ,起動時に「このコンピュータの最初のWindowsのライセンス認証の手続が行われて以来,コンピュータのハードウェアが大幅に変更されました.その変更のため,3日以内に,Windows のライセンス認証の手続きを再度行わなければなりません.今すぐWindowsのライセンス認証の手続を再度行いますか?」というメッセージが出ます.インターネットにつなげるなら「はい」を押せば,難なく手続が済みます.ユーザー登録の必要はありません.(そんな何回もユーザー登録してもねぇ?)

ベンチマーク

Crystal Dew Woldで配布されているCrystalMark 2004というベンチマークソフトでテストしてみました.機器構成は以下の通り.

CrystalMark 40802 43035
ALU 6453 6676
Fibonacci 2351 2428
Napierian 1010 1045
Eratosthenes 1244 1289
QuickSort 1826 1892
FPU 8282 8616
MikoFPU 984 1025
RandMeanSS 4149 4321
FFT 1787 1854
Mandelbrot 1340 1394
MEM 2728 2843
Read 632.35 MB/s ( 632 ) 663.45 MB/s ( 663 )
Write 754.43 MB/s ( 754 ) 802.73 MB/s ( 802 )
Read/Write 566.68 MB/s ( 566 ) 570.95 MB/s ( 570 )
Cache7545.95 MB/s ( 754 )7866.39 MB/s ( 786 )
HDD 5605 6335
Read 34.65 MB/s ( 1386 ) 45.23 MB/s ( 1809 )
Write 36.60 MB/s ( 1464 ) 43.52 MB/s ( 1740 )
RandomRead512K 19.81 MB/s ( 792 ) 22.42 MB/s ( 896 )
RandomWrite512K 30.72 MB/s ( 1228 ) 29.56 MB/s ( 1182 )
RandomRead 64K 5.29 MB/s ( 211 ) 5.60 MB/s ( 224 )
RandomWrite 64K 13.12 MB/s ( 524 ) 12.11 MB/s ( 484 )
GDI 9424 9550
Text 1789 1813
Square 3048 3186
Circle 2828 2768
BitBlt 1759 1783
D2D 3550 4047
Sprite 10 136.97 FPS ( 13 ) 209.39 FPS ( 20 )
Sprite 100 125.34 FPS ( 125 ) 184.45 FPS ( 184 )
Sprite 500 90.32 FPS ( 451 ) 118.43 FPS ( 592 )
Sprite 1000 66.65 FPS ( 666 ) 81.90 FPS ( 819 )
Sprite 5000 21.99 FPS ( 1099 ) 23.63 FPS ( 1181 )
Sprite 10000 11.96 FPS ( 1196 ) 12.51 FPS ( 1251 )
OGL 4760 4968
Scene 1 1630 1815
Lines (x1000)( 205974)( 269493)
Scene 2 CPU( 32)( 64)
Scene 2 Score 3130 3153
Polygons (x1000)( 176504)( 177458)
Scene 2 CPU( 128)( 128)