飛べないカラス ちょっとかわいそう. |
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カラスが近くにいたので写した.ベンチのところにいたのだが,羽が抜かれているせいだろう,背もたれに飛び乗るのも一苦労という様子だった.
なんか全然見て回れなかったなぁと思いながら出てくると,半券を切るおっちゃんが何ごとか言った.聞き取れなかったので聞き返したら Bye-bye と言っているだけだった.きっと「ただちょっと挨拶しただけだよー」と思っているに違いない.ロンドンに居る間,けっこうこういうことがあった.現地人はどう受け答えするんだろう.愛想よく声をかけられるのって悪い気はしないけど,戸惑った.
出たところにあるお土産やを物色して,結局,ケルト風ブローチ(£12)と絵葉書£4分買った.これでもう11時半.昼食は食っとかなくちゃならんだろうとおもうのだが,あいにく現金がない.1000円だけ両替した.少なすぎると言われたけど,最低金額はクリアしてたのでそれでいいんだと言い張り,£3もらった.なぜだ?来るときは1万出して£50とおつりになったのに.手数料が高いのか.でも,今日帰るというのに小銭がいっぱいできても困るからしょうがない.
ともかく,それを握って売店へ行ってサンドイッチ(まただよ)とミネラルウォーターを買った.計算を間違えられた気がしたが,それどころじゃない.気持ち悪くなっても飲み下し,薬も飲んで慌てて地下鉄の駅へ.
おみやげ 三越に行くtoschにお使いを頼んで買ってきてもらった。 |
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Earl's Court で降りて歩いてみると13時ちょっと過ぎぐらいにホテルに着けそうだった.まぁ,13時にチェックアウトと入ったけど5分ぐらいなら大丈夫だろうし,結局はロビーに13時20分なんだしと安心して入っていったら,ちっとも大丈夫じゃない人物に出くわした.tosch だ.
tosch は僕のでっかい荷物と自分のとを抱えて泣きそうな顔をしていた.そりゃ言い過ぎかもしれないが,オロオロしていた.
Sousui「いったいどうしたってんだ?」
tosch 「だって,チェックアウト1時なんでしょう?」
僕は呆れてそんなちょっとぐらい足がでたって大丈夫だ,結局料金がかかるのは15時以降なんだしとかなんとかボロクソに言った.もっとも,倫理的には tosch が正しい.
時々忘れてるけど,私は遅刻魔である.中学時代,毎日遅刻していたため,「遅刻の一番多い人」と学校の玄関に名前を大書されたこともある.母が三者懇談の時にそれを見つけて嘆いていたようだ.
セーフボックスから物を取り出し,チェックアウトした.
集合場所のロビーに座っていると, 「もう戻ってこないんじゃないかと思った」 と tosch が言った.Sousui,ロンドンに消ゆ,か.いったいどうやって生活していくんだろう.そう思ったとき,日常に戻っていくんだなという感覚にとらわれた.
待ってる間に吐き気がしてきた.オイオイ,やめてくれよ,こんな状態でバスになんて乗れるのか?
やってきた係員の方は行きとは違う人だった.バスの1番前の座席に乗ったら,1番前は保険が利かないから次の席に移ってくれと言われた.うへぇ,そういうものなのか.
幸い事故にも遭わず,吐くこともなく空港についた.VAT 手続きの人をちょっと待って,今度はチェックイン手続きだ.ここまでは係員の人がきてくれるし,全日空だから日本語OKだ.持ち込むには荷物が重すぎるといわれたけど(何が入ってんだか,10kgぐらいあった),どう交渉したのかOKということになった.このツアーのほかの人の分を回したことになったのかな.
係員がついてきてくれるのはここまで.お次は身体チェック・手荷物チェックだ.ここでどっちもひっかかった(笑)! 女性係員に念入りにボディチェックされ,日本と違って厳重だなあと思いつつ,カメラだの財布だのを渡してから再び金属探知機をくぐってようやく解放されたと思ったら,今度は荷物をどうにかしなくてはならない.
荷物を調べていたのはアラブ系の女性だと思う.ほっかむり(とは言わないな,普通.何だっけ?)をしてたから.しっかりバッグは開けられてしまい,中のものを出されてしまう.
「これは?」
「絵葉書です」
「これは…違う,本ね」
心当たりのない僕と何が入っているか知らない係員とでゴソゴソやっている横で tosch が
「ペーパーナイフじゃない?」
とボソッと言った.とたんに僕は
「それだ!」
と叫び,ほとんど係員から荷物を奪うようにして中をまさぐり,British Mueseum の袋を見つけると,勝ち誇ったようにペーパーナイフを取り出して見せつけた.
もちろん,勝ち誇るようなことではない.
彼女は上司らしい制服を着た男性係官を呼んだ.おじさんは念入りに刃先を触ったりなんだりした.刃先といっても,指を滑らせたぐらいじゃ切れないし,先端も丸い.
「大丈夫だろう」
と返してくれた.それからさんざん散らかした荷物をもはやテキトーに放り込んでロビーへ向かった.
ロビーは免税店に囲まれた中央にある.ここにはテレビがいくつか天井から吊り下げられていて,出発便を細かい時で表示している.ツアー係員が,ここで待っていれば全日空機の出発は日本語で案内が入るから入ったとたんに搭乗口へ移動しろと言っていたので,僕らはそれを忠実に守ったのだ.
まず,僕が荷物を見張って,tosch が免税店を見て回ることにした.つぶす時間はたっぷりある.飛行機は17時出発で,ロビーに着いたのは15時ごろだったのだから.荷物を預けなかった僕らは1人ずつ動くしかなかった.大きな荷物を担いで歩いて高価な酒のボトルを崩しまくるってのは避けたかったし.
僕はここに来るまでにポストと切手はどこそこで買えという表示を見つけていたので,ロンドン塔で買った絵葉書を取り出し,おもむろに書き始めた.これがイギリス最後の手紙になるはずだ.
さて,tosch が戻ってきて,ハロッズのなんとかがどうこうとかリバティがどうこう(分かんねーな,これ)言っていたころにできあがったので,切手を買いに行く.てっきり p40 だと思っていたので,自信満々で硬貨をさしだすと足りないと言われた.え?なんで? ともかく,おばちゃんは£1.5だと言うのだ.僕にはそれだけの現金がなかったので,ぶらぶらと免税店を見て帰ってくる.
tosch と2人,おかしいねぇ,葉書が大きいサイズだったからかなあなどとしゃべったあと,だめ元でブーツに行ってみることにした.
そこにいた若い店員さんは小さなペーンみたいのを同僚に見せて, 「これで日本に遅れると思う?」 と訊いた. 「送れると思うわ」 という答えを聞いて,店員さんは僕にその切手…じゃない,トークンの使い方を教えてくれた. 「これ,4枚全部貼ってね」 それは p75だった.記念に残しておこうと思った硬貨を除いてちょうどなくなった.しかし,英国の郵便料金体系,よく分からんぞ.
時刻は15時45分.フラフラと(いつものごとく)電気機器に吸い寄せられたり,本を読んだりしているうちに案内放送が入った.
それから機内まではすぐだった.機内で書くべきことはあまりない.映画を2本見て(『チャーリーズ・エンジェル』と『タイタンズを忘れない』),あとは体調がよくなかったので tosch がワインを飲んだり機内食を食べたりしているのを横目に,ちょっと食ってはふたをしてを繰り返し,2回目の機内食などは配られたのは知っていたが,無視して爆睡した.
入国は楽チンだった.
成田に着くと,ありがたいことに羽田への最終直通便に間に合った.14時15分だったかな.英国内ではあんなに警戒していたのに,2人でひたすら寝ていた.
さすがに腹が減ったので,羽田で食事することにした.日本だからという気安さで荷物にさほど注意を払っていない.我ながら苦笑.そうそう,イギリスではエスカレーターの開けておく側が逆だったので,帰ってきたら混乱した.なんだか胃腸が復調してきたのを感じたが,用心して少し残した.
tosch とはここで別れた.
普段はめったに電話などしないのだが,「羽田に着いた,富山便は19時だ」と家に連絡を入れたら,思惑通り父が空港に迎えにきてくれていた.あの大荷物に辟易していたのだ.とうちゃん,ゴメン.
旅は終わった.体調はたいしてよくなかったくせに,またチャレンジしたいと思っている僕が居る.母も「また行くのかい?」と訊くほどで,垣根が少し低くなったように思う.願わくばもうちょっと英語能力をマシにしてから行きたいものだ.
このほぼ1ヵ月後,NHKで『主任警部モース』の放送が始まり,モースのシリーズにハマる.そして,「うぉ〜,オックスフォード行きて〜!!」と思うようになるのをこの時はまだ知らない.
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