壊れた人々ばかり出てくるので常に画面にあやうい雰囲気がただよっていたので,ホーテンスさんが出てくるとほっとした.
冷気でも流れてきそうな夫婦に親子.いまに破綻に向かうんじゃないだろうかという心配で時を忘れて見入ってしまった.ホーテンスさんとモーリス,シンシアたちの関係がどんなものかはじめは分からなかったので,どうつながるんだろう,どうつながるんだろう,とそれも気になるし,モニカもシンシアも隠し事があるのでそれも気になって仕方がなくなるのだ.
ロクサンヌはすごく冷めてるように見えて,ほんとうは傷つきやすい.その恋人のポールは思ったよりいい人でよかった.
ホーテンスさんはシンシアと離れて暮らして,まともに成長していてよかったと思う.そうじゃなければこの家族に救いはなかった気がする.
ホーテンスさんがいい人だったのと,いままで妻と姉の関係に耐えに耐えてきたモーリス(この人もいい人なのだ)が爆発したせいでぎすぎすした状況が改善され,嬉しかった.
アクションがあるわけではないけど,出てくる人物は極端ではなくて非常に現実味があり,没頭できる映画だった.