呼び出しを喰らった

ぼーっと郵便局のATMで入金をしていると,なんとなく振動を感じた.

めぐりの悪い頭で2秒ぐらい考え,携帯が鳴っているのに気付いた.

見てみると,献血ルームからだ.

「はい」

と出ると,向こうが戸惑ったように「あの…」とくちごもった.

そうか,名前言わなくちゃな,と「はい,Sousuiです」と名乗った.

でも,向こうの困惑は収まらない様子で,「あの,Sousuiさん御本人じゃないですよね?」と訊いてきた.

携帯なのに本人じゃないわけねーだろうが,と思ったが,可能性は無いと言い切れないのだから「本人だ」と述べた.

用は献血の依頼だった.

ふ,今宵の献血ルームは血に飢えておる.

そこで,仕事が引けてから献血ルームに行った.

下にも置かない扱いを受け(これは毎回),すべての検査はOK,ただ,そこからが問題だった.

看護婦さん,めでたく針を指すのに失敗.

出しているときは良かったのだが,戻しがうまくいかないらしい(私はいつも成分献血だ).そこで,針を刺しなおそうとしたのだが,針を刺したまま血管を探ろうとプニプニ触られるのも,寝ている角度を変えるのも,手を握ってくれという指示に従うのも全て痛い.最後に,バンドを締めなおした時にこらえきれ無いほどの痛みに「痛いっ!」と叫び,あえなく針を抜くことになった.

が,抜いた瞬間がもっとも痛く,そのとたんに貧血になってひっくり返ってしまった.

さんざん謝られたりなんだりだが,もはや慣れたものである.

なんせ,頻繁に失敗して青あざを作られているから.

内出血用の軟膏を渡そうとして,はたと私がたくさんその薬を持っているはずであるのに気づいたのだろう,今回はくれなかった.

「こんなことに慣れちゃうのもなんですよね」

と看護婦さんは繕うような笑みを浮かべた.

現在,このおかげで腕が痛くて曲げられません.

それでも献血に行く自分は我ながら懲りないやつだと思う.

日時: 2001年6月 1日 | 雑記 |

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