本当はハリィ・ケメルマンの『九マイルは遠すぎる』を借りるつもりだったのだ.しかし,目の前にはジョルジュ・シムノンの『メグレと殺人者たち』と『メグレ夫人のいない夜』がある.
うぉー!エド・マクベインに手を出さなかったのは何のためか!(答え:シリーズ,多いから)
メグレに手を出したら意味がないじゃないか!(答え:シリーズ,多いから)
ところで,この市立図書館で借りてきた本こそ,中学・高校時代に「メグレものはなんて多いんだ」と私を恐れさせた河出書房新社版のメグレ警視シリーズである.あのころは普通に書棚にあったのに,いまや書庫に入っていた.月日の流れるのは早い.たぶん,あの頃,この『メグレ夫人のいない夜』を借りたはずだ.祖父の蔵書にない本なのだが,私はジャンビエが撃たれたという話を覚えていたから.
メグレものはオリジナルテキストがフランス語だからさすがに原書にあたる気にはなれない.(シムノンはベルギー生まれ)
以前見たTV版はなかなかよかった.メグレものというと「人生の哀愁」という印象が私には強いのだが,マイケル・ガンボン主演のそのシリーズはテーマ曲や流れる雰囲気がそれによくあっていたのだ.
フランスで作られたTVもあるという.残念ながら未見である.
ああ,ミステリチャンネルが見たい.