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イングリッシュペイシェント
以前から「何を我慢してるんだろー」と思っていた「イングリッシュ・ペイシェント」を借りてきて見てみた.…「イギリスの我慢」じゃなくて「イギリス人の患者」だった(爆笑).「イギリスの我慢」なら「イングリッシュ・ペイシェンス」だろうが!!
それほど期待はしてなかった.ジャンルとしてはロマンスなんで,好みにあわなそうだし,ゆっくりと話が進みそうで.でも,いいほうに裏切られた.見始めたのが23時過ぎだったので,途中でやめて次の日にまた見ようと思ってたのに,惹きつけられ,やめられなくなってしまって,結局2時まで起きている羽目になった.
第2次大戦の終わり頃,ヨーロッパを往く英国軍のとある部隊には,全身に火傷を負い記憶を失って自分の名前すら忘れた男がいた.男は死にかけていた.恋人の悲報を聞き,また友人も失ったばかりの従軍看護婦ハナは,思うところあって,男を介護するのにちょうどいい崩れかけた建物に2人だけで残ることを希望し,部隊は2人を置いて町へと移動する.
ので,しばらく2人だけの生活が続くのかと思ったら,なんかすぐに人が増えてくんで笑ってしまった.まずは謎の男カラバッジョ.彼は死にかけた男の過去を知っているらしい.それから,爆発物処理部隊のインド人将校キップ・シン少尉とその部下で陽気な(ちょっと言いすぎかな)イギリス人のハーディ軍曹.(陽気なイギリス人って妙な形容に思われるのは偏見だろうか?)
たぶん,メインはイギリス人患者とその記憶のほうなんだろうし,それはそれですごく惹きつけられる話ではあったんだけど,1番印象に残った場面は,爆発物処理の場面とその後のドイツ軍降伏の報を聞いて浮かれ騒いでいる場面である.
不発弾を処理しているところにアメリカ軍の戦車が浮かれている兵士たちを満載にしてやってくる.その振動で作業がうまく進まない.この場面こそが1番緊張した.「ヤンキーがぁ!止まれって言われたら止まれ!」と怯えながら見ていた.ところで,爆発物処理の時って液体酸素を使うんだね.低温とくればまずは液体窒素!と思いこんでる私には新鮮でした.
お次の場面の大騒ぎ.ハーディがなんとなく気に入っていた私はそれを見て,目が点になってしまい,胸にぽっかりと穴があいてしまって,そのあともまだ話は続くし,いよいよ過去の真相が明らかになる,ってんで興味も続いてはいたんだけど,ぼんやりとしていた.ホッとした後に落とすってのは物語の常套手段だけど,「そりゃあない,そりゃあないよ,なんだってここまできて」という想いが頭の中をぐるぐると回っていた.ラスト近くでキップがハーディについて語る.
- キップ
- 昨日,考えていた.昨日….(中略)ハーディとはプライベートな言葉は交わさず,悲惨な経験を共に体験した.悲惨な経験を.(中略)彼は決して尋ねなかった.曲芸ができるかとかカーマ・スートラについてとか.
――なんだってこんな話になったんだろう. - ハナ
- 彼が好きだったのよ.
キップは任務を黙々とこなしていく.けれど,インド人である自分が英国軍に所属している事に思うところはあったのだろう.ただ,人の良いイギリス人の部下にはなんとなく親しみを感じていたのだろう.
ところで.
軍曹役のハーディがケヴィン・ウェイトリーだったので,「またサージェントやってんのか,あんたは!」とウケてしまった.
『主任警部モース』と言うドラマでルイス部長刑事を演じているのだが,英国だと部長刑事も軍曹もサージェントである.
あと,マドックスやってる人も見たことがある気がする.たしかポワロかなんかで.
視聴日 2001/6/20