東京に異動するにあたり
- Iさん
- 東京の件なんですけど,通常ですと1年なんですけど,2年でお願いしたいという事なんですが,いいでしょうかね.
- Sousui
- いいですよ
- Iさん
- じゃ,2年,更新ありで
はい?
……気分は契約社員.
はい?
……気分は契約社員.
予想外の出来事が勃発し,これから土日もつぶれることが確定.(いや,その前から土日はつぶれてたんだけど)
駄目だ,今月中におはなし仕上げることもまともな更新かけることもたぶん無理だ~.
今のココロの叫び
そういうことは先に言ってくれ~!!
てなわけで,そういうことは先に言ってくれ~な部屋探し.本当は,用意してもらえるはずだったのに.なんだって,こんな押し迫ったときに言うかな,ブツブツ.
文句を言っていても始まらない.ここはひとつ,「ひとつの部屋に押し込められての共同生活状態」とか,「官舎生活のわずらわしさ」から逃れられたと考えて,部屋を探すぜ,イェー.
インターネットでももそもそと探してたけど,「やっぱり,部屋は現物見なきゃね」と思い,唐突に東京へ.(ちなみに,私は昔から「鉄砲玉」とよく言われていた)
朝に予約を入れた巣鴨のホテルにチェックインすると,そのまま池袋へ.インターネットで探していたとき目に付いた物件を紹介していた業者があるのだ.ここが駄目でも池袋なら他にもいくつも会社ありそうだしね.
エレベーターを出ると,部屋を探す人々がずらりと並んでいる.
う……
さすが,異動の時期だ.
声を掛けられたので,座る.担当の人がやってきた途端,突然,話し出す私.
「今,富山にいるんですけどね,4月1日に異動になるんですよ.ほんとは住まいを用意してもらえるはずだったんですけど,それが駄目になっちゃって自分で探してくれって言われたんです」
「それ,いつ言われたんです?」
「昨日です」
「昨日?!」
「そう.アハハハハ」
あとで思うと,これは疲れで駄目になる直前のハイ・テンションだったように思われる.通常,私は,人の話をさえぎって弾丸のようにしゃべるということをしない.どちらかと言えば,相手の話が終わるのを最後まで待ってから切り出すクチなのに,この日はもう,どうにもとまらない~♪
「勤務地がですね,半蔵門なんですよ.だから,半蔵門線なら半蔵門,有楽町線なら麹町,中央線なら市ヶ谷です」
「まってまって,半蔵門線と有楽町線と,中央線」
「そう.この沿線で」
「なにかインターネットとかで調べたのあります?」
「はあ,でも,たくさんあったし,部屋ばかりは実際に見てみないとと思って」
「そうですよね.それに,インターネットとか雑誌とかに載ってるのって,良くて安いのはないんですよ.だから,そんなに探さずにすぐきて正解だったと思いますよ.というのはね,掲載するまでにだいたいインターネットで1週間,雑誌で3週間かかるんです.いい物件だったら,その間に決まっちゃうんですよ」
「はあ」
「この業界,まだネット化あまりされてないんですよ.だいたい,街のおじいちゃんおばあちゃんがやってるのが多くて,そこにそうそうハイテクおばあちゃんってのが居るかと言うと,いないんですよ.だから,空きが出てから手で図面を引いてね」
口上はいいから探し出してくれ.
「あ,いくつか探してはみたんですね.どれどれ…ああ,ここ,知ってます.日当たり悪いんですよね.日当たりはどう考えてます?」
「どうせ夜しか帰らないからどうでもいいです」
「どうでも…日当たりなくて風通し悪いとね,すぐカビが生えますよ.もともと一戸建てと違って窓が少ないから,通気性という点でどうしても落ちるんですよ.それはいやでしょう?「
「それはいやですねえ」
「えっと,どの沿線を考えてます?」
「うーん.半蔵門が一番近いから半蔵門線」
「……えっと,だいたいの相場を言うと,この山手線の内側って高いんですよ.特に高いのが池袋,渋谷,新宿,上野,東京あたり.ターミナル駅だからなんですけど.それで,半蔵門線ってのは」
「ほとんど内側ですね」
「そう.あと,中央線も高いんですよ」
最初から有楽町線で探せって言えよ.
「で,特に土地にこだわりがなければ――」
「全然ありません.」
「じゃあ,この辺りで探しますね.コレ,有楽町線のファイルなんです.よさそうだなっと思ったらガバッと折っちゃってください.僕も持ってきて探しますね」
2人でファイルをめくることしばし.
「なんか折ってますね,どれどれ――いいんですか?」
「何が?」
「古いですよ」
「いいんじゃないですか.」
「寒いですよ」
……札幌暮らしをしていた私にそんなことを言うのかとも思ったが,黙っていた.
「古い建物は,外壁に直接中の壁紙張ってるんですよ.そうするとですね,結露がひどいんですよ.そうするとすぐに壁紙が剥がれたりカビが生えたりするんです」
「じゃあ,だいたい,何年ぐらいを目安にしたらいいんですか?」
「えっと,そうだなあ.千九百……八十五年ぐらいかな.知ってます?阪神が優勝した年なんですけど」
「そーいえば,そんなこともありましたねー」
「ハイ,すいません」
また,探すことしばし.
「何か見つけました?どれどれ——コレ,洗濯機おけないじゃないですか」
「そうみたいですね」
「洗濯機置きたいってさっき言ってたじゃないですか」
「そうなんですけど」
「だめじゃないですか」
「いや,なんか妥協しないとこんな短期間で見つからないと思って」
「大丈夫,見つかりますって.皆さん,だいたい3時間ぐらいで決められますから」
「まあ,住めりゃいいかなーって」
「1ヶ月とかそういう短期じゃないんでしょう?」
「はあ,2年ほど」
「だめじゃないですか.——よし,分かった,必ず 『コレだ!』っての探してあげますから」
あんちゃんは,いろんなファイルを見ながらあちこちに電話をかけている.なにやらファックスがと届いた.
「これは?中野なんですけど.風呂トイレ別.何故か洗濯機はベランダですけど」
「うーん…(ちょっと駅から距離あるな)」
「どうです?」
「うーん……やっぱ,洗濯機が外なのは嫌です」
「だめかー」
あんちゃん,あちこちに「中央線か有楽町線で室内洗濯機ありませんか」と電話をかけている.この台詞だけ切り取ると変だが,本当にこう言っていた.業界じゃ通るのだろう.
私はと言えば,分厚いファイルの半分来たところで疲れてしまった.もう帰って明日来ようか,と考え出している.
あんちゃん,あまりにもないという返答をもらったせいだろう,「洗濯機中だったら完璧なのに」とぼやいている.(私には完璧には見えなかったが)
やがて,FAXがまた届いた.
「なんだこれ!?」
「?」
あんちゃん,ここで,顔を上げ,ニンマリ笑った.
「ふっふっふ」
「なんなんですか」
「チョーいいよー」
「("チョー"いいんかい)どんなんなんですか」
「東武東上線成増駅から4分.ということは,有楽町線の成増も近くだから問題なし.えーっと,この地図からいうと…アレ?駅ここで物件ここだから有楽町線なら余計近いんじゃないかな」
「そりゃいいですね」
「ちなみに,このダイエー大きくて便利ですよ」
「ふーん」
「築年数新しくて,オートロックついてて,風呂トイレ別.宅配ボックスあり.TVモニターつきインターフォン.洗濯機,中.収納もある」
「部屋自体の大きさは?」
「待ってください.(計算機を叩いて)部屋が半分以上はありますよね.……だいたい6.8畳」
「いいですね」
「地図確かめます?」
地図を持ってきたあんちゃん,私の目の前で印を付け出す.
「有楽町線の成増駅がここで——あれ?ないぞ…(地図の発行年を見て)99年の地図だから載ってないんだ.でも,えっと……そっかそっか,この駐車場に建てたんだ」
印を付けてみて覗き込み,しばし言葉を失う2人.
「アハハハハ,治安がどうのってレベルじゃないよ,チョー近いじゃん」
「近いですねえ」
そのチョー近い物件を結局は押さえました.
でも,相手方の審査はまだ.無事に通るといいんだけど.駄目だって言われても,もはや次の物件を探している余裕はないのだから.
賃貸の申し込みをしたとき,年収を聞かれた.だいたいこれぐらいだったかなーという金額を言った.
「年収,もうちょっとあったほうが相手にアピールするんですけど」
「はあ」
「もうちょっと多く書いてください」
「いいんですか?」
「いいんです」
こうして,私が述べた金額に20万が上乗せされた.
今日,放り出していた部屋の整理をしていたら,源泉徴収票が出てきた.
年収は,自己申告額より50万ほど多かった.
……フッ.
引越し手続きが全く進まない...
おお,どなたか有楽町線沿線で良い無線LANスポットを教えてください.落ち着いてPCを広げられて,飲み食いしながらメールチェックぐらいできたらいいんだけど.
ところで,唐突に映画を見に行ってしまった.
ワンピースを.
いや,宣伝見たら面白そうだったんで,つい.
そもそも刀好きですんで.あ,ゾロも好きですよ.
通勤手段が車になってしまってから,ジャンプの立ち読みもしなくなり,めっきり話から遠ざかっていた.TVアニメは見てないのである意味初体験.登場人物がしゃべるたびに「おお?!」となってました.(ちなみに,私はロビンちゃんを知りませんでした)
ルフィが田中さんなのは知っていたので,ふんふんと聴いていました.ゾロは思ったより低い声でかっこよくてびびりました.この人,かっこいい人だったんか~.サンジもかっこいい声でびっくりしました.この人,かっこいい人だったんだ~.ウソップはイメージどおりで声も上手いなあと思ったら,山口さんだったのでびっくりしました.ひゃー.それから,チョッパーが可愛らしい声で驚きました.おお,こいつは可愛らしい生き物だったのか~.
漫画読むときって自分の声で読んでるもんだから改めて声が出ると新鮮です.
ナミはイメージどおりでした.ロビンは知らなかったんですが,落ち着いたかっこいい感じの女性でした.
で,映画なんですが,面白かったです.
観客の大多数を占めているのはお子さんでしょうが,笑いのツボが違うらしいのがなかなか興味深かったです.
結局,本日18時ごろまで荷造りしていました.
終わりになると,持って行かなくてもいいものでも何でもガンガン放り込み,結局,ダンボールが無くなったのでやめました.こんなに本を持っていってどうするんだろう.(それでもちょっとは残したんだが)
いっつも引っ越すたびに思うのだが,もうちょっと計画的にできんのかね?>自分
引越し屋さんが来たのが荷作り終えてからでよかった~.
今の心配は,単身パックのケージ3つ分が6畳余りの部屋に入るかということだ.
さらば,富山.
荷物に入れ忘れたものを発見してしまったせいで,異様に荷物が多い.その上,早起きしたら眠くてかなわない.連れも居たのに爆睡,爆睡.
そして,こんにちは,東京.
荷物が無茶無茶重いのに,コインロッカーは開いていない.おお,なんということだ.こんなんで挨拶に行くのか.どこの引揚者だ,私は.
昼食は奢ってもらったが,これからすごい勢いで増えそうなエンゲル係数を考えるとぞっとする.東京で暮らすということは食と住に関しては哀れだ.
本日,新居の鍵をもらえることになっていたのに,担当の人のいる池袋にいったら,まだ届いてないから代々木の本社に行ってもらえないかといわれた.
おいおいおいおい,客に取りに行かせるか,普通?
なんだかえらい謎なんだよな,この人.
契約書が届かないなと思って電話をかけると「本日郵送しました」と言われ,その4日後に速達が届き,消印が「本日」の「2日後」だったりなんかしたこともあったりなんかしちゃったり.
でも,ま,いいや.ここで吼えても鍵は出てこないしさ.というわけで,やっと鍵をもらいました.
そして,新居に行ってみる.
……鍵の使い方が分からない.
監視カメラの前で悪戦苦闘をしてなんとか侵入.
おお,まるっきり不審人物.
部屋自体はこれでもかってほど設備が整っている.なかなか至れり尽くせりだ.
満足してホテルに帰る.(荷物が届いていないので眠れないのだ)
ところで,今,もっとも問題なこと.
郵便受けの開け方が分からない.なんと間抜けな顛末だ.
スイマセン,しばらく手紙は送らないでください.