話の書き出しについて

私は実は話の書き出しが苦手だった.いつも,「唐突すぎるよなあ」と思っていたものだ.

苦手「だった」と過去形になっているのは,別に目覚めて上手くなったからではない.単に,自分の話の書き出しに慣れてしまったのだ.

今思うと,「唐突でない書き出しなんてあるんだろうか」という疑問にぶち当たる.

ところで,話の書き出しというと,いつも頭の中に浮かぶ文章がある.木曽路はすべて山の中にある.そう,藤村の『夜明け前』である.

別に『夜明け前』が好きなわけではない.それどころか,読んだことさえない.にもかかわらず,なぜかこれが頭に浮かぶのだ.

だからか知らないが,いつも自分の文章の書き出しは,『夜明け前』系(なんだそりゃ)だなあ,と思う.

日時: 2004年6月15日 | 雑記 |

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