カラスと肉

本屋に行った.

駐輪所の自転車にカラスが1羽とまっていた.

カゴの袋をがさごそしていたので,何かと思えば,生肉の入ったビニール袋をつついている.

追い払ったものの,向こうも必死,微妙な距離からこちらの様子を見ている.

私も本を見に来たわけで,どこの誰の物かも分からぬ肉を見張りに来たわけではない.

この場合,一番いいのは持ち主を呼ぶことだが.

以下,想定問答.

「すいませーん,呼び出しってできますか?」

「どなたをお探しですか?」

「えーと,自転車に肉を放置した人を」

「は?」

「あのですね,カラスがつついていて……」

「はあ?」

ダメだ,そんなこと一生懸命説明する勇気はない.

さらば,アディオス,誰かの生肉.

その後,本屋に入って出てきたら,ちょうどカラスが肉をひとかけくちばしにくわえて飛び立つところだった.

ちょっとした罪悪感にかられた.

日時: 2006年4月30日 | 雑記 |

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