ライナー・マリア・リルケ/片山敏彦訳/みすず書房
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リルケ詩集リルケの名前を知ったのは,小学校か中学校の時で,赤川次郎の小説からだった.登場人物に「リル子」という人が出てきて,「ルリ子じゃないの?」「親がリルケから取った」という意味の会話があったのだ.
それで,なるほど,リルケはドイツの詩人ね,とは思ったものの,実際に彼の作品を読んだのはそれから15年近く経ったわけだ.
そもそもリルケは岩波文庫『ドイツ名詩選』を読んでもっと読みたくなったのだ.とても深い.言葉が深い.沈んでいるようで,でも,それは絶望ではない.常に前を向いている.きっとこの人は世界が好きで好きでたまらなかったのだろうとそう思う.そして,悲しみという感情をとても大事にしていたように思う.
また,訳文も良い.『豹』は岩波文庫の『ドイツ名詩選』にも収録されているのだが,それを読んだ時は取り立ててなにも思わなかった.が,こっちの訳を読んで,得心し,深く感じ入った.
2006/5/18 読書開始 - 5/19 読了