メイド……
Zaurusの電池が切れてにっちもさっちもいかなくなったので,本日は秋葉原で充電用品を仕入れるところから始まりました.
うーろうーろしてたら,メイドリフレなるものが何軒かありました.
喫茶だけじゃなくて増殖しとるな,メイド(偽).
だいたい,秋葉原には不満があって,それはFREESPOTがあんまりないこと.秋葉原のクセに.
あるのはソフマップ(ただし,機器持ち込み不可)と漫画喫茶となぜかメイド喫茶だよ.
普通の食い物屋になぜ無いんた,秋葉原め!
« 2006年8月 | | 2006年10月 »
Zaurusの電池が切れてにっちもさっちもいかなくなったので,本日は秋葉原で充電用品を仕入れるところから始まりました.
うーろうーろしてたら,メイドリフレなるものが何軒かありました.
喫茶だけじゃなくて増殖しとるな,メイド(偽).
だいたい,秋葉原には不満があって,それはFREESPOTがあんまりないこと.秋葉原のクセに.
あるのはソフマップ(ただし,機器持ち込み不可)と漫画喫茶となぜかメイド喫茶だよ.
普通の食い物屋になぜ無いんた,秋葉原め!
行き当たりばったりの本領発揮で遊んでもらえることになりました.
粗相があってはならんと思って,行き当たりばったりを反省し,やったことのないカラオケ予約なることをしようと電話をしました.
「本日は週末ですので,予約は5名以上からです」
「は?」
お母さん,東京は冷たいとこだよ.
ちなみに,いざ行ってみたら,別に待っている人はいませんでした.
入れろよ,予約.(いや,待たされなかったから必要なかったけどさ)
清澄白河駅近く,東京都現代美術館(MOT)の特別展,ディズニー・アート展を見に行きました.
千葉大から見つかった大量の資料にディズニー本社の門外不出資料を加えたという話題の展示です.
思ったよりずっとよかったです.
いえね,私,ディズニーのキャラクターって特に好きではないんです.でも,そっちがメインなわけじゃないんですよ.鉛筆で書かれたストーリー・スケッチ(シーンを決めるためのラフスケッチ)や,イメージを決めるためのコンセプト・アート(これは,描き手が好きな画材を使って好きな雰囲気で描いている),面相筆でこれでもかというぐらいに描き込まれた『眠りの森の美女』の背景.
よかったです.私は絵は描かないからよく分からないけど,水彩とかやる人はきっともっと面白いだろうなあと思います.
土曜日の13時頃から見に行き,十分混んでると思ったのですが,16時に出てみたら入場に長蛇の列ができていました.おお,先に行って良かった.展示作品はあまり大きくない物が多いし,すごく書き込みが細かいので,混んでない時に行った方がいいですよ.朝とか平日とかに.
フリップブックなんてパラパラマンガがあったり,映像があったりで楽しかったです.(目が良くてよかった.映像や説明書きなら人の後ろからでも読めるから)
そうそう,びっくりしたんですが,ダリがコンセプト・アート描いているアニメが公開されてました.あのダリです.サルバドール・ダリです.ダリだけどディズニーというか,ディズニーなんだけどダリというか.台詞一切無しの不思議な空間でした.
初期のアニメだという『花と木』という作品も上映されていましたが,悪い木が可哀相でした.
とまあ,盛りだくさんで,上述の通り,見るのに3時間かかりました.これは混雑とはまた別の問題で,見るのが遅いんですよ,私.説明書きがあると全部読もうとするし.前に友だちと美術館を見に行ったら,「説明書きばっかり読んでる」と言われました.しかも,何かというと涙ぐむし.(ハンカチ持ってて良かった)
おかげで科博に行く時間が無くなってしまいました(だって,科博,17時で閉まるんだもん).
ディズニー・アート展は24日までです.お薦め.行ける人は行くといいです.
ところで,我々親子の共通した疑問点は,なんで自民党の総裁選で街頭演説なんかするかということである.
しかも,少なくとも10cmは切っているんだが.
ところで,髪を切ったのは,急に肌寒いほどになって,「髪乾かんわ~」と思ったからなんだけど,昨日今日と夏のごとく暑いです.しかも,音を立てる豪雨で窓が開けられませんので,えらく眠りが浅くて,参ります.
眠りが浅いと変な夢見るんだよなあ.
そういえば,こないだ鉄也さんになった夢を見ました.何をしたかは忘れたけれど.しかし,なぜ鉄也さんなんだ.
グレートには乗ってなかったと思う.残念.サンダーブレーク使ってみたかった.
うお~,出た~!やっと秀丸ver6.0正式版が出た!!
今回の大きな大きな目玉はアウトライン機能です.
白状すると,待ちきれなくてずっとβ版使っていました.
私がアウトライン機能のあるソフトになじめなかった大きな理由の1つに,アウトラインの見出しが表示されたペインにいちいち移動するのが面倒ということがあります.でも,秀丸のアウトライン機能は,エディタ画面で見だし記号を付けてガリガリ書けば,勝手に見出しの方も書き換わります.
見通しをよくしたければ,エディタ画面で文章を折りたたむこともできます.
というわけで,それを使って1年ぐらい前からガリガリ書いている話というのがあるんですが,110KBぐらいになっているんですけど,まだ序盤しか書けていないという悲しい状態です.
だいたい,私は文章短いのに(ここの日記みたいなテキトーに書いている文章はダラダラと長いけど),110KBなんて異常事態です.
絶対,途中でやめるなあ,この話.だいたい,構成もはっきり見えていないのに書き出しているというのも珍しい.何をどうしていいのやらさっぱり.
ひゃ~,ヤメテ,ヤメテ.
本日は勤務地における模様替えだったのですが,ものの見事に左中指を怪我しました.棚の上に置いてあったA4用紙の段ボールを下ろそうとしたら,思ったより重くて,その角と,下にあった低い棚との間に挟めてしまったわけです.
まあ,腫れてきただけで,たいしたことはなく,湿布をしてネットを掛けたわけなんですが,家に帰って困りました.
私は,勤務地ではローマ字入力ですが,家のパソコンは親指シフトなんです.
ローマ字入力だと,左中指ってのは,EとかDぐらいなんで,ちょっとやりにくいけど,薬指で代わりに打ってたんです.
でも,親指シフトってある意味,指の全身運動(日本語変).全ての指をまんべんなく使うので,打ちにくい,打ちにくい.
おお.さっさと直ってくれ.
3次αも無事終わったことだしと,いそいそと『戦闘メカザブングル』を借りてきました.
見て気づきました.
うわ~,EDの曲に見覚え......いや,聞き覚えがある~.『乾いた大地』なんてしらんわと思っていたのに,思いっきり聞き覚えがありました.テーマ曲のサビしか分からんと言っていたのは,この口か!
しかし,話はやっぱり全然知らないんですよ.そもそも富山で入っていたのかどうか怪しいもんだし.なぜ私はEDを知っているのだ.
そういえば,OGかTVアニメになるそうですね.
私?やだな,見ないですよ.
だって,はいんないもん.
富山で入らない(だろう)し,そもそも,私のTVはTVが入らないのである(もっぱらビデオとゲーム用).
レンタルでもしてくれんときっと見られません.さらば,OGTV.
「きずばん」と言うのは富山だけだと聞いた.本当だろうか.(まあ,私は言わんが,意味は分かる)
ちなみに,「すずらんテープ」が分かるあなたはもしかして北海道人ですね?
問.それぞれ,なんのことか答えよ.
本日より岡山です.おととい,昨日と体力使うことばかりだったので,富山を出る前からぐったりしておりましたが,なんとか特急に乗り遅れることもなく.東京に行く時は,越後湯沢での乗り換えが8分ほどなんですが,こっちは新大阪での乗り換えが10分以上とれます.なんかはよ来てくれた方がええなあ.
で,今回のお宿は岡山全日空ホテルでした.
ちょうど1周年で,半額になる割引券を持っていたせいでここを取ったのですが,岡山駅西口真ん前というなかなかの立地です.今,歩道橋を工事しているところでしたが,これができあがれば駅への行き来がもっと便利になることでしょう.
あと,ありがたいのはLAN(有線)が全室無料で使えます.
シングルルームなんですが,ベッドが大きいです.浴衣でなくて,ワッフルみたいな生地のバスローブ?みたいな感じの夜着がおいてあります.
複合施設にくっついていて,コンビニ・郵便局・ちょっとしたレストラン街が隣にあって便利.(そこにはシアトルズ・ベスト・コーヒーもあるので,フリースポットもあると思われ)
ここのお風呂は,部屋との境目に大きな窓がついておりまして,先に泊まっていた友人が言うには,「なんのためにあるのか分からない.おかげでTVは見られたけど,音声は聞こえないし」
使ってみた私が思うに,風呂にお湯を張ったのが見えるからではないかと.
さあ……何のプレイでしょう?
本日は,午後岡山入りだったので,後楽園と博物館のみ見学.入り口が向かい合わせで,セット券も売っています.セットで440円.私は行かなかったけれど,おまけで林原美術館二割引券も付いているので,そっちにも行きたい人は先にここを見ると吉.
このあたりは旭川という川が流れています.
足こぎボートはよくある白鳥だと思っていたら,こっそり鶴が混じっていました.何故?
まずは刀を見るために博物館へ.広くはなかったので,数は多くありませんでしたが,もんのすごい大太刀があって,びっくり.だってねえ,茎だけで普通の日本刀ぐらいなんだもん.でかいほど茎が長くなるとは言え,刃長2メートルぐらいあったんじゃなかろうか.驚いたことに,奉納刀かと思ったら,実戦用だったらしい.うわー,こんなん,「剣術」なんて関係ないわ.ひたすら腕力勝負.敵味方問わず,振り回している人には絶対に近づきたくないね.
後楽園は散歩にいい所でした.(写真クリックで大きくなります)
うーん,やっぱり富山よりは南にあるだけあって,日差しが強いや.
お気に入りは流店という所.建物の中央に水路があって,休息に最適.足をつけられる人はつけてみるといいよ.私は珍しくストッキングだったので,水面より上に足を投げ出していただけでしたが,冷気が気持ちよかったです.
井田(せいでん)という田んぼは稲穂が頭を垂らしていて,すずめが5羽ほどとまったり飛び立ったりを繰り返して遊んでいました.
のどかやねえ.
本日は長船に行くべく,JR岡山駅へ.
すると……
(ブンチャブンチャブン,チャチャチャ,ブンチャブンチャブン,チャチャチャ)♪も~もたろさん,ももたろさん……
電車が入線する時も出発する時もいちいち鳴ります.そのたびに拍子を取って揺れている旅人二人.
しかし,なぜ,犬と雉と猿なんだろう?
※~題目……歌の数詞として1題目2題目という数え方をするのは富山独特だと聞いた.しかし,他の数え方を思いつかない.
長船は思ったよりも行きやすく,岡山駅から1時間に2本ぐらいずつ電車があります.400円.電車で揺られること30分弱.長船駅に到着.いやー,岡山,ちょっと電車に乗るとすぐに田んぼが広がる田舎ですわ.富山と一緒.サギがちょぼちょぼと田んぼにいました.
長船駅は大変小さい駅で,降りる人も多くなく.こりゃ混んでなさそうでいいわい.
しかし,こんなに営業時間が細切れでいいのか.
駅前に2台ほど駐まっていたタクシーに乗り込んで「刀剣の里行ってください」.運ちゃんが,一生懸命話しかけてくれるんだけど,かなり聞き取りづらい.何を言っているかが分からん.刀剣の里まで950円なり.2人だから,まあいい値段かと.レンタサイクル300円だったので,それを使ってもいいと思う.道が分かれば.田んぼの景色でのんびり自転車こいでるのも良かろうと.
さて,刀剣の里ですが,ここはやはり自動車で来るところらしく,自動車はそこそこ停まっていました.でも,すいていることはすいていて,それをいいことにじっくり見てしまいました.刀工や鞘師等の仕事紹介映像をモニター陣取って見ていた時には特に「すいてて良かった~」と思いました.一本の刀剣ができるまでのお仕事がじっくり見られて良かったです.
刃をいれていない実物大の日本刀がおいてありまして,持ってみることができます.重量としては1kg弱.
長いので,かなり重く感じます.確かにこれを自在に振り回すにはかなり筋力が必要です.持ってみたものは,刀身だけのものだったので,バランスが悪いし持ちにくいしでよけいにそう感じました.
この日の展示は1階に横綱の刀(土俵入りの時のとか),2階に最近の刀工が打った刀.昔は直刃が好きでしたが,最近は多少の乱れが入っているのもいいなあと思うようになりました.残念だったのは,正宗の長刀が無かったことです.
昼食なんて食うところ無いだろう,という予想はものの見事に当たり,カロリーメイトの世話になってから,今度は実演の場所に.
鍛刀場では折良く刀を打っていました.後で帰りのタクシーの運ちゃんに聞いたところによると,いつも打っているわけではなくて,「日曜によく打っている」とのこと.昔は4人がかりで打っていた工程も,今は機械で打っていて,作業は1人でやっているようでした.私はこれにえらく感心したんですよ.いや,風情がないという意見も出るかも知れないけれどね,道具作りは世間に合わせて進歩しないと廃れると思うんですよ.なんかね,宗教とか伝統とかを見て思うんだけど,昔は合理性があってその手順になっただろうに,変にそれが「型」であり,犯すべからずになっちゃうと,そこで止まってしまうんだろうなあと思って.
実は長船の刀作りというのは一度絶えたらしく,その後,今泉俊光さんという刀工の尽力もあって(記念館がありました),復活したそうなんですが,機械なんかもそん時に入れたんじゃなかろうか.
工房もありまして,鞘の塗りをやっているところ,はばきを作っているところ,刀身彫り,研ぎ,鞘,柄巻きが見られます.若い人もいて,はばきを作っているあんちゃんは気さくで質問にもいろいろ答えてくれました.はばきは本当は刀の次に作るべきなんだけど,鞘なんかができちゃってから回ってきたりすると大変と言っていました.
すごく見たかった研ぎはやっていなくて残念.
柄巻きのおっちゃんは持ち込まれた刀(ここの工房では注文を受けている)を見て,えらい勢いで「こりゃ,ぜんぜんあかん.最悪の研ぎ師や」とか「これ,斬るように出来てない,突くことしかできん」とか「幕末刀は粗悪品多いから手出したらあかん」挙げ句の果てに「お客さん,この刀,これ以上金掛けたらあかんで」.いやあ,見てる分には面白かったけど,持ち込んだ人は(分かってても)がっかりしたろうなあと思います.
この博物館でも売っていた歴史群像シリーズ特別編集『決定版 図説・日本刀大全』はカラー写真が多くて,図や解説もいっぱいで,初心者にはすごく良さそうでしたので,帰ったら買おうと思います.
売り切れちゃってはいたけれど,長船町史に刀剣編があるのがさすがだなあと思いました.ちなみに,8000円也.
10時頃から見物を始めた刀剣の里から岡山へ帰ったのは,14時頃.なんとなく蕎麦をかっ込んで,目指すは夢二郷土美術館.時間があれば見たいと思ってはいたのだ.展示品は100ぐらい,美術館としては小さそうだし,なんとなく半端なこの時間で見て回れるだろうと.
場所としては後楽園のはずれ.岡山駅から岡電バス藤岡団地行きに乗ります.140円なり.
入館料は700円.やはり,こぢんまりとした美術館ではありましたが,「え?こんな絵も描いてたの?」というような作品が見られました.私,実は夢二の美人画はさほどには好きではないんですけど,夢二について回る大正浪漫の雰囲気に魅せられるのです.
油絵もあったんですが,これ,持っててもきっと夢二だってわかんない.
町の風景を描いたイラスト風の絵もあったんですが,「たがみよしひさ氏のイラストです」と言われたら,きっと信じます.(『なあばす』を思い出していた私)
浴衣のデザインなんかもありました.質素な感じでいいです.
この人,思ったより素朴だったんかなあ.
子供と一緒に後楽園を散策している写真がありましたが,鶴がすごく近くにいました.いいなあ,鶴.(夢二はどうした)
書簡も公開されていましたが,便せんがまた良くて,そこに達筆で書かれていました.字の並べ具合がいいんだなあ.
閉館時刻は17時(入館は16時半まで)だったので,見切れるか心配でしたが,心配することもなく1時間ぐらいで見終わりました.
帰りはテクテク歩いて,本日終了.
本日より京都一人旅です.協調性無いのか,おのれら!という罵声が聞こえてきそうですが,いや,だって,休み合わせられなかったんだもん.
地下鉄京都市役所前駅には京都らしい広告が.
いや,おもわずgyunyu.comにもリンク張っちゃったよ.うん,出家しないようにしよう.
お宿は京都ロイヤルホテル&スパです.なぜかツインルームのシングルユース.だって,シングル空いてなかったんだもん(旅行前,ぼーっとしてて慌てて取った).別にこのホテルにこだわったわけでもなかったんですが,それでも条件に合うところとしては安かったので.部屋が広い.
KOTORANというSPAがあります.というか,クラランスのエステサロンらしい.
お部屋は有線のLANが無料で来てます.
驚いたことに,ベルボーイの人が部屋まで来て,いちいち非常口の説明だのなんだのしてくれました.うわ,これでこの値段でいいのか.
お風呂は岡山の全日空の方がきれいでした.ここは,ちょっと広い(ワンルームマンションの)ユニットバスのような感じ.でも,お湯が溜まるのが早くて,うっかりあふれさせてしまいそうでした.
「観光に最高の立地!」という謳い文句に騙されるようにして取ったんですが,ちょっと辺りを歩いてみて,確かに最高の立地だと思いました.河原町三条の大通りに面していて,食べ物にも困らないです.
そうそう,泊まる時に,泊数分の朝食割引券と10%食事割引券(朝食以外に使える)をもらいました.
京都行ったら「鍵善」のくずきりを食べろというNKからのミッションを敢行すべく,ホテルに荷物を置くなり歩き出す.
ホテルから木屋町通りに通じる道は工事でふさがっていたので,河原町通りを下って,河原町三条で曲がり,橋を渡った角に小さな寺があった.説明書きを見ると,豊臣秀次とその一族の墓があるという.
秀次は秀吉の姉の息子で,秀吉の養子となり関白まで次いだ人物だが,後,疎まれて切腹させられた.あげくに,死後にその一族が処刑されたという.死後に,だ.そうまでして血を絶やさずにいられなかったのかと身震いせざるを得ない.
寺はごく小さなものである.
その中に地蔵菩薩がある.一族処刑の折りにとある僧が刑場の片隅に持ち込んで,次々と処刑される子女に引導を授け続けた,と説明書きがあった.次々と殺されていく39人もの人々に,引導を授け続けるとはどういう心持ちであっただろう.彼らは遺骸をまともに弔うことすら許されていない.ということは,この僧のこの行動も一歩間違えば咎めを受けるという死の覚悟ではあったと思う.それでも,その命を救うことはできずに,引導を授け続けることに無力を感じはしなかっただろうか.
先斗町を歩いてみたかったので,木屋町通りからちょっと横に入りまして先斗町へ.
いえね,東京に住んでいた時に池袋パルコ8Fにあった「先斗入ル」という京風スパゲッティの店が気に入っていて,その名前の由来とおぼしき先斗町に行ってみたかったのです.
ちなみに,その店の名前を私はずっと知らなかったのですが,ある時,NKが東京に遊びに来たので一緒に入ったら,京都狂いのNKが名前を見て「先斗町にもあるのかね?」と言ったので,気づいた次第.覚えないのは人の名前だけではなかったのか.>自分
先斗町を見たとたん思ったのは,「うわ,狭ッ!」でした.その狭い路地に両側から突き出すように看板が出ています.火事になったらたちまち延焼しそうだと要らん心配をしながらぶらぶらと歩いていきます.
なんだか料理屋が多いところですが,ところどころに他のお店もあります.うさぎグッズばっかり集めている店がありまして,私はそこでお香を買いました.(何故?)
とある漆器店に入ったら,外人さん二人(たぶん,夫婦)がいらっしゃいまして,しばらくすると,店員さんに「next post, next post」と訊きだしました.店員さん,はてなが飛んでいたようでした.私はまあ見捨てて出てきてしまいましたが,「Moechten Sie zur naechste Post gehen?」とぐらい訊いてあげればよかったかと(夫婦間ではドイツ語しゃべっていたのである)つらつらと考えていてハタと気づきました.
ドイツ語のnaechstには英語で言うnearestの意味とnextの意味があります.つまり,
naechst Post
↓
○ nearest post
× next post
だったんじゃなかろうか.
まあ,気づいたって後の祭りです.
教訓:外人のしゃべる英語が必ずしも正しいとは限らない.
四条通に出たので,鴨川を渡って,東へ.
「鍵善良房」はこの並びのはずなんだが,「よーじや」に着いてしまいました.おかしい.この途中のはずなのに.
ちょっと戻って気づきました.「鍵善良房」,月曜休みでした.しまった.しかも,なぜか今日火曜日だと勘違いしてたし!
「高台寺店をご利用ください」と書いてあったので,再び歩き出します.そうまでして食べたいか,くずきり.
「よーじや」もざっと見てから,向かいの花見小路に入り道なりに曲がってちょっと行きますと,何やら着物を着た行列がいます.なんだこれ.(後で知りましたが,櫛まつりの時代行列でした)
行列を横切って果敢に信号を渡り,下河原町通りを南へ.
途中,修学旅行中らしき7人ぐらいの小学生?か中学生?のグループがいて,地図を一生懸命見ていました.その中の男の子に話しかけられました.
だいたい東大寺だって知らない.ちゅうか,どうやってここから歩いて東大寺に行くんだ.
が,見捨ててものの5mほど行ったところで「高台寺」と書いた矢印を見つけました.振り返って身振りで呼んだら,合ってたようで,みんな曲がっていきました.それだけ人数いて誰かもう数歩ぐらい歩いてみなかったのか.
人の道が分かってもしゃあないわなあと思いながら,鍵善を探して歩いていきましたら,左手にやっと見つけました.
入ると,店内落ち着いておりました.きっと本店より人も少ないと思うので,かえって良かったかもしれません.
くずきりは背の高い容器に入って出てきます.まあ,背が高いのは黒蜜の器も一緒になっているからですが.900円.黒蜜か白蜜か選べます.そこそこ量はあります.ちなみに高台寺店は水曜がお休み.
くずきり食べた後,「せっかくだから,高台寺でも行くか.さっきの子たちも行ったようだし,有名なんだろ」と歩き出す.少し戻って,看板の矢印通りに曲がる.道はきれいな石畳.両側も趣ある建物.
NKは「くずきりけっこう量あって,それでおなかいっぱいになった」と言っていたのだが,いや,私,腹が減って,その道にあった「具だくさんそうめん」という看板に惹かれていきなりまたそうめん食べてたよ.ちなみに「具だくさん」とは書いてあったけど,所詮そうめんなので,さほどの具ではなかったよ.
物足りなさを抱えつつ,高台寺.
なんでも北の政所が建てた寺だそうな.さっき秀次の話を聞いたばかりだったので,ふと秀吉を諫める人はいなかったのかなあと思い出した.
高台寺は前を通るだけにし,四条通の東端八坂神社へと戻る.
八坂神社は素戔嗚尊の神社.祇園さんというのはここなんだそうだ.
素戔嗚尊がなんで悪い神様から良い神様になっちゃったのか,私はいつも疑問に思っている.ところで,なんで「祇園」と書いて「ぎおん」と読むのかな.太秦もそうだけど,京都ってなぞな読み方の地名が多い.
八坂神社はさすがに大きく,周りにも小さな社がたくさんある.神社は神様がたくさんあって,主に祀られている神様だけじゃなくて,その周りの神様の社を見て回るのも私は好きだ.
お参りをして,本日終了.ホテルに戻るなり,寝る.
起きて食ったのが近くにあった「赤鬼軒」とかいうところのラーメンなんだから,しょうがない.昨日もラーメンだったんだよな.チャーシュー麺を頼んだら,脂ののったチャーシューがどんぶりの縁いっぱいに飾られてきてぎょっとしました.おいしかった.
本日は今回の旅のメインイベント,柳生街道を歩く日です.本当はこの日のために体力付けた上で体力温存したかったんですが,そんな物,もはや後の祭りです.近鉄奈良駅から柳生まで歩き通すということも考えんでも無かったのですが,21kmの山道は無理だろうということで,忍辱山から柳生までの9kmコースにします.
柳生を歩くのになんで奈良に泊まらなかったかと言えば,奈良には2年前に行った記憶が新しく,滞在する気になれなかったからである.
ホテルの最寄り駅京都市役所前から地下鉄に乗り,お隣の烏丸御池で乗り換え.本数は少ないけれど,烏丸御池からなら近鉄奈良へ1本で行ける電車もあります.(無い場合は竹田で乗り換え)
烏丸御池を8:09分に出る電車に乗り,ガタンゴトンと揺られること1時間あまり,近鉄奈良に着きました.860円.
時間がなかったら,あやうく昼食を調達できないところでしたが,バスの時刻9:33までにはちょっと間があります.バス停の斜め向かいのセブンイレブンでおにぎりと飲み物ゲット.あ~,やっぱり,2年前の記憶にあるなあ,ここ.
今回は,けっこう,時間にはシビアにならざるを得ません.奈良交通のサイトを見てもらえば分かる話ですが,柳生行くバスって少ないんですよ.だって,1日に10本ですよ.観光シーズン(10月1日~には臨時バスが出るみたいで,看板はありましたが,それでもそんなには多くないんです.
奈良交通のあんちゃんがバス停で客の整理をしており,おそらくバスに向かって携帯で「現在,柳生に行かはるお客さんが20人ぐらい」などと連絡をしていたので,混んでるのかと怯えたのですが,難なく,全員座れました.
バスに揺られて35分ほど.奈良公園を抜けたなあと思ったらすぐに田舎っぽくなります.忍辱山までは650円.すっかり山です.
バスからどやどやと人々が下ります.年の頃としては60代ぐらいの人が多かったのですが,皆が皆リュックサックをしょっていて,小さめのショルダーバッグ1つという出で立ちの私としては多いに不安になるところ.山の中で行き倒れたらどうしよう.
しかも,みんな,街道とは反対方向に歩いていくのです.ど,どうしよう……
柳生行きの看板を確かめた後,念のため,人々が歩いていった方に戻りますと,どうやらそこが円成寺らしい.
見ようかどうしようか迷ったのですが,入るなり右にある池を見た途端,ぼんやりと五位鷺が立っており,「来て良かった」感が沸々と沸いてまいりました.
ぐるりと池を回ると,中の島には雄の鴨が1羽,翼を伸ばしたり羽を整えたりしており,それを見下ろすように楼門が.ああ,やっぱ見に来て良かった.
拝観料400円を払って中に入り,楼門からこの池を眺めおろしながら,奈良から柳生へと帰る武士が昵懇の住職を訪ねて笠を上げると,そこに僧が立っていて互いに黙礼をする,なんて想像をめぐらせておりました.
ところで,忍辱山は「にんにくせん」と読むのですが,なんか忍者出てきそう.しかも,漫画の(笑).漢字を見るとなんだか意味深ですがね.
いよいよ柳生街道を歩くわけです.道しるべを見る限り,坂を下りていく狭い道がそれのようなんですが,なんとなくイメージと違って不安になります.
しかし,坂を下りたところで,想像通りの道になってきました.どんな想像をしてたかって,そりゃ,山道ですわ.舗装されていたのは意外でしたが.
こんな所,平均年齢高そうやけど,年配の人,移動が大変やろなあと思っていましたら,よくこんな乗り物に乗っている方を見かけました.見た途端,なるほどと納得しました.
道は,案外いろいろな景色で,田んぼが広がる開けたところもあります.一応,道しるべはあるのですが,ときどき道が分かれているのに道しるべが見つからなくて,不安になります.
やがて道は舗装もなくなり,見事にそれっぽく山道に.さほどには傾斜はきつくなく,ともかく歩きます.が,突如,ぬかるんだ道に出くわして合皮のウォーキングシューズだった身では閉口しました.う~ん,スニーカーの方が良かったかなあ.
順調に夜支布神社(これで「やぎうじんじゃ」と読む)まで来て,池の石に蛙が3匹乗っているのを呑気に写したりしていたんですが,この後,見事に迷いました.
国道に出てしまい,大変つまらないことに!
柳生街道と呼ぶには風情なさすぎだと思い,国道に出たところにあったJAならけん大柳生マーケットというところに入って,「南明寺(次の見所らしい)はどこですか?」と訊いたところ,そこにいた店員らしき2人のおばさんと近所のお客らしきおばさんの計3名がかりで「歩いていくの?車?」「ともかく,ずーっと歩いていったらいい」「白い看板あるからな」「右や,右」「小学校越えるか?越えるな?」と口々に説明されました.お礼を言って出て,出たところのバス停で座っていたおばあさんに「バスならここや」と言われたのにもお礼を言って,歩きます.
ずーっと歩くと,白い看板を発見.アレか?と思いつつ近づきますが,どう見ても「東福寺」と書いてあるようにしか見えません.小学校らしき建物がありますが,う~ん,ここは越えるって言ってたよなあ.おばさんたち,東福寺の看板とまちがっとんじゃなかろうか.
予定では南明寺についたらおにぎりを食べようと思っていたのですが,腹が減って仕方がなく,阪原というバス停のベンチでむしゃむしゃと食べてしまいました.
さらに歩きますが,どこで横に入ればいいか分からないままに歩き続けます.
さっきから喫茶店の看板があるけど,しゃあない,そこで訊くか.
阪原北出のバス停前に発見した「喫茶錦正」というところにふらりと入ります.
店にはご主人らしき人と顔見知りの客らしき人の2人だけ.
一番安い物はアイスだったので,ストロベリーアイスを頼みましたらば,
「何?ああ,ストロベリーアイス.はっはっは.あらへん」
そうですか,あらへんですか.
5分後には何故かサマーゼンザイなるものを食べておりました.ちなみに,私はぜんざいが大嫌いです.
が,おっちゃんは,訊いてもいないのにいろんなことをしゃべってくれます.
「3年前にな,そろそろ社会貢献せなならんと思ってな,喫茶店作ることにしたんや」
「せっかくこうやって観光できるもんものこっとんのにな,こういうところが足らんいうねん」
「便所もつくってな,喫茶店に入らんでも行けるように外に作ったんや」
「本当は円成寺にも泡がぶくぶくぶく~言うて出る立派な便所あるんやで」
そして,ありがたいことに,訊いてもいないのに,戻ったところの旧街道にお藤の井戸があって,そこからちょっと戻ると南明寺があると説明してくれ,「それ,やる」と地図までくれました.
これきいて,ペットボトル空にしておけば良かったと思ったけれど,仕方がない.
外に出て,お藤の井戸への行き方を詳しく聞いて,えっちらおっちら戻りました.
いやあ,水曜日じゃなくて良かった.(喫茶店,定休日)
ガソリンスタンドまで戻って(これがけっこうある),言われたとおりに向かいの道に入り,5mほど行ったところの左にある野道に入る.
ああ,久しぶりに道しるべ発見.
ちなみに,もらった地図に「あちこちに道標.それをたどれば道に迷うことはない」と書いてありました.すんませんなあ,迷ってて.
南明寺は広くもなく大きくもなく.
喫茶店のおじさんは,「そこからちょっと戻ったとこにコスモス畑がある」と言っておりましたので,見に行ってみました.
ふふ,コスモス畑の緑が目に痛い......
気を取り直しておふじの井戸に行きます.う~ん,これがどこぞのお婆さんがはまった井戸か.
おふじの井戸のお話しは次の通り.
その昔,ここでおふじという娘が尻をまくって洗濯をしていたところ,柳生の殿様(但馬守宗矩)が馬で通りかかった.
宗矩,何を思ったか,「桶の中の波はいくつあるか」と問いかける.(なんでんなこと訊いたんだ).
ここでこのおふじさん,アホなこと言うなと腹を立て,「あんたが奈良からここまで来た馬の足跡はいくつある」と訊き返した.
これに宗矩感心し,頭のいい娘だってんで馬に乗せて柳生まで連れて行った.
以上,喫茶店のおじさん談.案内の看板には後に妻に迎えたと書いてあった.
おじさんの話を聞いていて思ったんだけど,この辺じゃ「柳生の殿さん」なんやなあと.なんかね,ずっと江戸にいて,将軍に仕えてたというイメージが強くて,領地を持った「殿様」というイメージがあまり無いんですよね.
ところで,おふじの井戸の案内板に「仕事せえでも器量さえよけりゃ,おふじ但馬の嫁になる」という歌が残っていると書いてありました.大事なのは器量らしいですよ.(才能の意味の方かもしれんが)
さて,この後の山道に来て,喫茶店の客の方のおじさんが「歩いていくの?」と呆れたわけが分かった気がしました.石畳の道だったんですがね,斜面がいきなり急になり,しかも,倒木が道をふさいどる.馬に娘乗せて柳生にお持ち帰りできるような道じゃないよ!!ここのぼるだけで,頭がクラクラしました.
山越える言うとったもんなあと登り切って,歩いておりますと,コツコツと何かを叩いているような音が聞こえてきました.なんやろなあとぐるりと上を見渡すと,あ,キツツキや~!!ドラミングじゃなくて,ほんと探るようにコツコツと叩いては場所を移っていました.や~,いい気分.(鳥好き)
この後も頑張って歩き,道は下りになってきて,見つかりましたのは疱瘡地蔵.立派な屋根のあるところにありました.ここまで来れば柳生まであとちょっと.
14:45,とうとう柳生に着きました!円成寺出たのが10:45だから,6時間掛かってしまったか.道にも迷っとったしな.道理で,一緒のバスに乗ってた人に会わんはずや.平日だったからかもしれんけど,山ん中じゃ誰にも行き会わんかったしな.
宗矩さんが作ったという柳生の陣屋敷は,もう無くなっていて,跡しかありません.ちょっとした公園になっとりましたが,残念やね.
これまた宗矩さんが作ったという八坂神社にお参りし,てくてくと歩いていきますと,道ばたで野菜を売っていました.ふふ,ええね.のどかやね.
そのまま歩いていきますと,小山田家分家(非公開)と並ぶようにして,家老屋敷があります.
この家老屋敷は,柳生藩末期の家老小山田主鈴の屋敷だったそうで,資料館として公開されています.驚いたことに,作家の山岡荘八さん(あの『徳川家康』の!)が所有していたこともあるそうです.ここで柳生家の話『春の坂道』(昭和46年NHK大河ドラマにもなっているそうです)の構想も練ったとか.入場料350円を払いまして,入っていくと,新陰流の使い手の名前を書いたボードがあったのですが,うっかり五味康祐の『柳生武芸帳』を思い出しました.あれは面白かった.
ここを出て,「これ見んにゃ柳生に来た意味ないやろ」と十兵衛杉を見に行きました.
十兵衛杉は十兵衛三厳が手ずから植えたという伝説のある杉で,今は枯れてしまっています.この杉は,山の斜面にある墓地の一番上にあり,上ってみると,柳生の里を見守るように立っています.本当に十兵衛が植えたのかどうか分からないけれど,柳生を見下ろす位置にあるこの老木に何か名前を付けたくなるのは分かるような気がします.
ちなみに,この枯れた木の前に元気のいい杉があり,小十兵衛と言っているそうな.(広まっているかどうかは知らない)
この後,本当は柳生家の墓のある芳徳寺はぜひとも見たかったのですが,バスの時間が迫っていて,見られませんでした.本当は,16:56の後にもう1本,最終バスの18:49というのがあるにはあったのですが,いい加減,暗くなっていたので,行きかけた歩を戻しました.
この判断が良かった.戻り初めてすぐに雨が降ってきたんです.
ところで,柳生のバス停周りには,十兵衛茶屋だか十兵衛食堂だかそんなような名前の店が並んでいたんですが,どうして十兵衛さんは人気あるんでしょうね?政治的にはたいしたことしていないのに.宗矩食堂とは誰も名乗りません.
かくいう私も,昔々,『サムスピ』『真サム』『斬サム』を一気買いした時に,店員さんに「好きなキャラクターいるんですか?」と問われ,「十兵衛さん(原文ママ)」と答え,内心,「しまった~!!さん付けするんじゃなかった~!!」と思った人間です.(厳密に言うと,サムスピの十兵衛さんは設定的には同姓同名なだけで,実在の十兵衛三厳とは別人)
ちなみに,TVドラマで好きな十兵衛さんは『将軍家光忍び旅』で勝野洋さんが演じる十兵衛さん.(なぜ有名どころでないのだ)
帰りはバスで柳生から奈良まで一気に帰ります.おお,私が6時間かけた道が20分だよ.このバス,あちらこちらと国道から入っては国道に戻りを繰り返し,興東中学校など,スイッチバックまでしており,おかげで大柳生は2回通る有様です.近鉄奈良まで1時間弱,950円.
一気に烏丸御池まで帰る電車がなかったので,近鉄東大寺で乗り換えまして京都に戻りました.
夕食は疲れ果てていたので,「最初に目についた店に入る」と固く決意し,かつくらという店へ.たれに使うというごまをゴリゴリと擂りながら,「なぜ京都でトンカツなんだ」と自分に疑念を抱く.でも,ああ,トンカツはうまかった.ガツガツ食べた.
今日と明日は京都観光予定.本日は嵐山方面.勇んで,「京都観光二日乗車券」を買ったのだが,よくよく考えてみると,今日はともかくとして,富山へ帰る明日はそんなにバスや地下鉄に乗るとも思えない.しかし,もう買ってしまったのだから,しょうがない.
バスに乗る距離は極力短くしたかったので(酔いやすい),二条まで地下鉄で移動.そこから京都バス61番大覚寺行きに乗る.さすがに柳生と違って本数はある.
大覚寺に行きたかったのは,よく時代劇の最後に「撮影協力 大覚寺」と出てくるので,どんな場所なんだろうと思っていたからである.
太秦(どうしてこれで「うずまさ」と呼ぶのだろう?)の映画村も興味が無くはなかったが,とりあえず通り過ぎて大覚寺へ.拝観料500円なり.
どこをどう切っても時代劇撮影できそうで,嬉しくて仕方がない.建物も広い,平日だからか知らないが,人も少なく,写経の場でもあるからか,静かである.
襖に鳥が描いてある部屋があって,嬉しくなった.この鳥がきちんと種類が分かるんです.つばめ,すずめ,かいつぶり,おしどり,じょうびたき……
御影堂というところは,仏像の前が70畳の広さがあって,そこにチンと座ってぼんやりと外を眺めたりしていた.
外の庭園がこれまた広い.それだけで公園のようで,大きな池がある.その昔はここに舟を浮かべて遊んだのだそうな.
写経の場所では2,3人ほどが筆を動かしていた.やってみたいような気もしたが,全部書くと45分かかると書いてあったので,断念した.ちなみに写経の紙は般若心経全文のお手本がうっすらと書かれたもの(字をなぞればいいわけである)と,「羯諦羯諦」の部分から後だけのもの(これは10分ほどで書ける),それと白紙があった.
この部屋の側にお守りなどを売っているところがあった.奮発して,伽羅を買ったところ,
「お華かお茶やってはるの?」
と訊かれた.まごついて,
「いいえ」
と言ったところ,
「若いのに伽羅なんて買うていかはるから……」
いや,でも,伽羅って有名だろう.
いつもたきこめているわけではないんですが,お香は好きで,たまに買います.その際,つくづく思ったのは,そこそこ金はかけたほうがいいということです.以前,100円ショップのお香を買ったら,ずいぶんでっかいコーンで,火をつけたら焚き火の匂いがしました.というより,焚き火だったと思うよ,アレは.
このお香は,帰ってから試しましたが,なかなか良かったと思う.上品で,香りすぎない.
大覚寺と庭だけで2時間あまり費やしてしまいました.ボーッとしすぎだろうか.でも,ぼんやりするのにちょうど良かったですよ.
13時も過ぎてしまったので,おなかが空いて仕方がありません.でも,大覚寺あたりには店などほとんどありません.来る時に通り過ぎてきた天龍寺辺りには店がけっこうあったので,そこまでがまんがまん.
次は大河内山荘に行くつもりだったので,13:22発の28番のバスに飛び乗って野々宮まで戻ります.
前の夜に友人のtoschより電話があって,この周りには湯豆腐屋がいっぱいあるようだと聞いていたので,それを食べようかなあと思ったのですが,なぜか食べていたのは竹之家というお店のゆばステーキでした(注:湯豆腐もある).1680円.値段の割にあまりに上品な量で涙がちょちょぎれそうでした.
元気を出して,いざ,大河内山荘に向かって歩き出します.バス停から西へと入る道を歩き出してすぐ,竹林です.いやがおうにもワクワク感が募ります.きっと,伝次郎さんもこの道に入っていって,竹林を歩いていくと世俗から離れていくような気分になったに違いありません.それが別荘に行く時の大事な儀式だったんじゃないかと.今でこそ一般公開されている観光地ですが,昔はきっと行き交う人もいなかっただろうし.
途中には野宮神社というところがあります.ここの鳥居は木の皮を剥かない黒い鳥居です.この鳥居,取り替えなければならなかったのに,木を手に入れられなくて困っていたところ,日本興業株式会社という香川の会社が奉納してくれたのだという看板がありました.いい話やなあ,とホロリ.
それからまた歩いて行きまして,いよいよ大河内山荘です.
ここは何年か前(何年も前かもしれない)に友人NKが「大河内伝次郎が資金注ぎ込んで作った庭園があるんだ」と熱っぽく言っていたので,行ってみたくなったところです.
入場料1000円.抹茶付き.
人が少なくて,天気が良くて,そりゃもう最高でした.それに,ちょぼちょぼとゆっくり座れるところがあります.ボーッとするのにお誂え向き.なんていいところだろう.
大河内伝次郎氏がここを作り出したのは34歳の時だそうです.うわ,渋い.いくら時代劇スターだからって渋いよ.以来,亡くなるまでの30年間,この庭園に注ぎ込んだのだそうです.
ちょうど裏にあたる辺りに出て山を眺めていると,後からおばさんが出てきて,気持ちよさそうに息をつきました.
「あ~,いいところやなあ.なあ?」
「そうですね.紅葉だったらもっとすごかったでしょうね」
「そうやなあ.いつ頃かな.10月?11月?」
「10月下旬ですかね」
「大山(だいせん)もいいところですよ.来てください」
「どちらから?」
「鳥取」
という会話を交わした後,僅かの間,同道.
この鳥取の方,園芸が好きらしく,「こんな枝は取らんとダメなんやけどな」などといいながらブチブチ枝をちぎるのでハラハラしました.
植物の名前はさっぱり分からんのです.以前,toschと北大内を歩いていた時にしばらく会話を交わした後で「鳥は分かるんだね」と言われた人間です.
そのまま一緒に抹茶をいただきます.
Sousui,説明を諦める.
いや,でも,備前焼が好きと言い出すのも若い人の趣味としてはどうよと思うよ?
この後,ちんたら抹茶を啜っているSousuiを置いて鳥取のおばさんは行ってしまいました.
隣に座っていたあんちゃんが近くのおばさんに「お菓子食べてるところを写してください」と言っていたのが楽しかった.そういう写真の方が旅の写真としては面白いよね,きっと.(私は自分が写っている写真というのは身震いするからいやだが)
ええかげん疲れてもいたので,無理せず帰ることにし,野々宮のバス停まで戻りまして,噂の「よーじやカフェ」で「ほうじ茶プリン」というのを食べたのですが,上に乗っていた甘い豆で胸が悪くなりました.(甘い豆嫌い.頼む前に気づけ,と自分でも思った.昨日のゼンザイといい,これといい)
昔から「哲学の道」というネーミングが気になっていて,歩いてみたかった.
したがって,今日は「哲学の道」散策.
ホテルをチェックアウトして荷物をあずけ,地下鉄に乗り東山へ.東山三条のバス停から5番のバスに乗って南禅寺・永観堂道で降ります.
出発点に定めた若王子神社に行くまでで見つけた物.
ここ......時計屋なのかな?
永観堂がありましたが,ぶらりと寄るには拝観料払わないといけないので,やめて哲学の道へ.
哲学の道は疎水という小さな川沿いの道です.
銀閣寺まで1.3kmしかないことに愕然としながら(前々日に柳生9kmを歩いていたので),のらりくらりと歩きます.
途中,よくドイツ語を訊いたので,「ドイツで京都大流行?!」と驚いていたら,ちゃんと(?)英語をしゃべっている外人さんもいました.
さて,何かと横道があって小さな神社があります.何々,大豊神社?
ぐはあ.か,かわいい.狛犬ならぬ狛鼠.あげくに狛鳶と狛猿がいました(こちらは鳶と猿で1セット).お守りなんかも狛鼠なんで異様に可愛いのです.
歩いていくと,Cafe Terrazzaというお店があります.どうも犬が好きらしく,「店まで歩いて四十歩,わんちゃんなら八十歩」と書いてあります.ちなみに,無線LANが無料で使えます.さすがにMURAMASA君は持ち歩いていなかったので,使いませんでしたが.
ちなみに,連日の疲れで燃費がかなり悪くなっていたので,この店の近くの「あねっくす喜さ起」という店で牛しゃぶ冷麺を食べてしまった.なぜ京都まで来てそんなものを食べているのか.しかも,盛岡冷麺を思い浮かべていたら,冷やし中華みたいなもんでした.
哲学の道は,雑貨屋などがポツリポツリとあって,観光を離れても,散歩にはいいかもしれません.
「忘我亭」という店にあった柿しぶのバッグは,なかなか好みでした.色としてみると渋いんですが,デザインは「シック」はいう言葉が似合う物が多かったように思います.
あと,写真を撮っちゃいけなかったんで,撮れなかったんですが,ぜひ見せたかったのが,別な店にあった絹てまり.絹糸を荒く巻いて作ったような真ん丸な球の中空に小さな折紙などが揺れています.どうやって作ったのかあんまり不思議だったんで,訊いてみたんですが,「企業秘密です」とのこと.出願しているとか.山科(と言ってたと思う)の職人さんが作っているのだそうです.いいなあ,これ.(ロフト等でも売っているそうな)
銀閣寺に至る道の曲がり角で,なんだか四角い食べ物を売っていた.一見,でっかいきんつばに見える.「古都芋」というらしい.店員さん(若いあたりのいい男性)に訊いてみる.
「これ,なんですか」
「裏ごししたいもにつなぎを混ぜて,鉄板で焼いた物です」
突如,猛烈に欲しくなり,衝動的に土産はこれにしようと思いたつ.
「ええ~と16個ください.いや,ちょっと待ってください.(頭の中で勤務先の部屋の人数を数える)え~と,12個……かな?」
「(笑いながら)12個でよろしいですか?」
「はい.あ……これ,何日持ちますか?」
「2日.今日,冷蔵庫に入れると4日ぐらいですかね」
「(考え込む)大丈夫……かな」
「よろしいですか」
「はい.12個ください」
1個120円なり.問題は,今日冷蔵庫に入れるだろうが,冷蔵庫にはいるのはどんなにがんばっても21時過ぎである点で,しかも本日は暑いぐらいに晴れている中を持ち歩き続けることである.
挙げ句に,よく考えてみたら,こんど出勤するのは5日後である.数も数えられんのか.まあ,食べさせてみて,もし,みんなが苦しみだしたら謝っとけ!と心に決めた.
この後,超有名どころの銀閣寺(本当は慈照寺)に行った.参拝志納料500円.
手前の白砂の造形は分かるんだが,向こうに見える謎の物体は何を意図した造形なのであろうか.
銀閣寺って,本当に銀箔張るつもりだったのかなあ?単に金閣があったから対比されて銀閣と称されているだけで,銀箔張るつもりは無かったんじゃないのかなあ?だって,この落ち着いた風情こそが完成品のような気がするもの.財政難で止めるぐらいだったら,そもそもここを作っていないと思う.
銀閣寺の庭を歩いていきますと,苔が標本のように展示されていました.
ふむふむ.
?
……
面白い分類ではある.
銀閣寺は,旅行終盤でヘトヘトになっていたせいもあるかもしれませんが,ぼーっと眺めるような場所が無くて,残念.私は大河内山荘に軍配をあげます.
その後,バスに乗って京大に.
本当は,京都大学総合博物館 秋季企画展を見たかったのだけれど,10月4日から.おお,わずか1週間違いだったのに……
残念でしたが,基礎物理学研究所と総合博物館の常設展だけ見ることに.
まずは京大農学部前で降りて,基礎物理研へ.
基礎物理研は,本当に研究所しかないので,別に展示はないです.建物だけなんとなく見てみた.ちなみに,入って右手に関係者以外使うなと書いたロビーっぽいところがあった.体力使い果たしていたので,座っていっちまおうかと思ったが(なんせ,大学なんてところは,誰が居ようが分かるような所ではない.どうどうとしてりゃ分わかりゃしない),まあ,やめておいた.
次はとなりのバス停百万遍で降りて,総合博物館.
「企画展の準備をしているので2階は通り抜けられなくなっていますが,よろしいですか?」
Oui.
観覧料400円.自動販売機と自動改札があって,中も綺麗なもんでした.化石なんかがたくさんあり,植物の標本があり.後は,発掘物と古文書ですね.
2階でトンテンカン音が聞こえるのが悲しかったり,もはや倒れかけていたりで,そこそこで退散いたしました.
早めに京都駅に行き,サンダーバード(人形劇ではない)の来るホームへ.
壁際のベンチは個別がけ.席はゆったりしています.
竹かご弁当というのをバクバク食べていると,白髪の60代ぐらいのおじさんが隣に座りました.大荷物の上にカップ酒?の入った袋を置いたのですが,それが崩れかけ,少しはにかむように笑います.
「日本海の6号車はどこだがね.」
あ~,絶対秋田の人やなあと思いながら,ホームの電光掲示板を見ます.
「あそこは――1号車みたいですね」
「だから入ってこねと分からね」
「そうですね……」
弁当を食べ終わり,おじさんに荷物見ててくれと言って,弁当の空をゴミ箱に捨てた後,猛然とホームを走る.で,戻ってきて.
「6号車,あっちでしたよ」
「ああ,こりゃ,ありがとう」
「どちらまで?」
「あぎだ」
やっぱりなあ.
「どれぐらい掛かりますか」
「あぎだと言っても大館だから,今乗って着くのは明日の朝」
「大変ですね」
「なあに,一杯飲んでねんねこすれば,起きたら駅だ.……サンダーバードってのはどこまで行ぐんですか」
「魚津です」
「うおづ?」
「富山の」
「ああ.――どこまで行がれますか」
「富山です」
「ははあ,そりゃあ遠いでしょう」
いや,どう考えても大館の方が遠いから!!
そんなこんなで,時間は過ぎてサンダーバードが来たので,おじさんと別れて乗り込みました.
かくて,今回の旅は終わったのでありました.
右膝が死にました.ズキズキする.
ダメだね,一度膝やっちゃうと弱くなって.(膝やっちゃったのって去年の12月の仕事ででした.どんな事務仕事だ)
私はいつも本気で観光やると,最後の日は死に死にになっています.加減というものを知らんのか.そのたびに,「今度こそ体力八分目にしよう」と反省するのに,生かされた試しがありません.
来年こそはドイツに行こうと思いますが,きっと死に死にになると思います.死に死に仲間募集.(ムチャ言うな)
ズキズキする膝を抱えて,えっちらおっちら家に帰ってきたら,車がリコール喰らってました.おお,わがプラッツよ,プラッツよ.
もう,今日は寝る.
今年は山に食べ物が無いとかで,富山でも山に近いあたりでクマが出没しているそうな.
クマには気をつけよう.
Firefox2.0日本語版RC1は出たらしいんですがね.タブ機能強化してあるというので,早う使ってみたい.
Firefoxは,デフォルトでライブブックマークというRSSフィードを扱う機能がありますが,私はそれよりもSageを導入した方が便利だと思う.インストール方法なんかは,MaeMuki.Com - Firefoxで遊ぼう(FirefoxをRSS Readerにしてしまうの巻)が分かりやすいかと.
ブログを追っていくのには便利.あと,使っているのはYahoo!Auctionです.キーワード検索結果をRSSとして登録できるので,気長に探し物をするときに重宝します.間違っても「ニュース見てます」とか言い出さないのが情けないような気がしますが,気のせいと思うことにします.
大岡越前の「御前」を演じていたのは誰だか調べていて(私信:智恵蔵さんだったよ!),別な時代劇のことまで分かりました.
私の小学校時代(特に高学年)というのは,時代劇に染まっており,毎日毎日時代劇を見ていました.夕方は再放送枠,夜は新作,真夜中にまた再放送枠というていたらく,あげくに野村胡堂の『銭形平次全集』だの柴練さんの『眠狂四郎』をはじめとした小説を読みさくっているという有様です.(今日知ったのですが,「~さくる」と言う表現は富山弁らしい.若い衆の言葉だと思っとった)
東京はなんていいところだろうと思いましたね,あんときゃ(当時,東京に住んでいた).なんせ,富山には民放が2つしかなかったもの.
さて,その真夜中枠でやっていたのが,『大江戸捜査網』『眠狂四郎』『右門捕物帖』です.(CMで演歌のプロモーションやってたり銀座ジュエリーマキの宣伝をやってたりした)
この『右門捕物帖』,なんだか松平健に似たような感じの人が演じていたのですが,それが誰だか分からなかった.中村吉右衛門もある,と教えてもらって,そうかなあと首をかしげていたのですが,吉右衛門右門は1969年なんですね.それならあり得るかな,と.雁金の紋ばかり覚えています.(たしか)
大変気に入って,佐々木味津三の原作も読みましたとも.
後になって,有名な杉良太郎版を見たのですが,私はアレを右門と認めん.あれだけしゃべりさくってどこがむっつり右門だ!2010.5.5追記:ごめん.右門読み直したら原作もしゃべりさくってた.
最近, 青空文庫で読めることに気づき,懐かしくダウンロードしてみたら,ですます調でびっくりしました.うわ~,すっかり忘れとるもんやなあ.
ちなみに,佐々木味津三氏はとても気に入って,『旗本退屈男』も読んだものです.
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