バスからどやどやと人々が下ります.年の頃としては60代ぐらいの人が多かったのですが,皆が皆リュックサックをしょっていて,小さめのショルダーバッグ1つという出で立ちの私としては多いに不安になるところ.山の中で行き倒れたらどうしよう.
しかも,みんな,街道とは反対方向に歩いていくのです.ど,どうしよう……
柳生行きの看板を確かめた後,念のため,人々が歩いていった方に戻りますと,どうやらそこが円成寺らしい.
見ようかどうしようか迷ったのですが,入るなり右にある池を見た途端,ぼんやりと五位鷺が立っており,「来て良かった」感が沸々と沸いてまいりました.
ぐるりと池を回ると,中の島には雄の鴨が1羽,翼を伸ばしたり羽を整えたりしており,それを見下ろすように楼門が.ああ,やっぱ見に来て良かった.
拝観料400円を払って中に入り,楼門からこの池を眺めおろしながら,奈良から柳生へと帰る武士が昵懇の住職を訪ねて笠を上げると,そこに僧が立っていて互いに黙礼をする,なんて想像をめぐらせておりました.
ところで,忍辱山は「にんにくせん」と読むのですが,なんか忍者出てきそう.しかも,漫画の(笑).漢字を見るとなんだか意味深ですがね.