早めに京都駅に行き,サンダーバード(人形劇ではない)の来るホームへ.
壁際のベンチは個別がけ.席はゆったりしています.
竹かご弁当というのをバクバク食べていると,白髪の60代ぐらいのおじさんが隣に座りました.大荷物の上にカップ酒?の入った袋を置いたのですが,それが崩れかけ,少しはにかむように笑います.
「日本海の6号車はどこだがね.」
あ~,絶対秋田の人やなあと思いながら,ホームの電光掲示板を見ます.
「あそこは――1号車みたいですね」
「だから入ってこねと分からね」
「そうですね……」
弁当を食べ終わり,おじさんに荷物見ててくれと言って,弁当の空をゴミ箱に捨てた後,猛然とホームを走る.で,戻ってきて.
「6号車,あっちでしたよ」
「ああ,こりゃ,ありがとう」
「どちらまで?」
「あぎだ」
やっぱりなあ.
「どれぐらい掛かりますか」
「あぎだと言っても大館だから,今乗って着くのは明日の朝」
「大変ですね」
「なあに,一杯飲んでねんねこすれば,起きたら駅だ.……サンダーバードってのはどこまで行ぐんですか」
「魚津です」
「うおづ?」
「富山の」
「ああ.――どこまで行がれますか」
「富山です」
「ははあ,そりゃあ遠いでしょう」
いや,どう考えても大館の方が遠いから!!
そんなこんなで,時間は過ぎてサンダーバードが来たので,おじさんと別れて乗り込みました.
かくて,今回の旅は終わったのでありました.