邪魅の雫(京極夏彦)

「痛い痛い」「何でですか何でですか」ってところで,突然ボロボロ泣いてしまったよ.被害者が好きだったわけではないし,多分,その辺にいたら苛つくんだろうけど.それにね,加害者もむしろ好きだったから.そして,違うということが分かっているから.「違う,違う」と言いたかった.教えてあげたかった.

そこに至るまでの間に,すでに人死にがいっぱい出るんですが,それまでは難解なパズルを眺めているだけだったのに.そもそも誰が誰でどういう状況の下に何という名前を名乗っているのかがよく分からなくなってしまって,うんうん唸るのに気を取られていたのと,「いきなり死体になってた」という感じで,可哀相だとは思っていなかったようです.

この話の中で一番嫌いな人は酒屋の住み込みです.

7章の関口君を慰めている(ありゃ,慰めてるんだろう)ところの話は興味深かった.常々そう思っているから.作品は読者が読んで初めて完結するんじゃないかと思う.読者は主観で読むのだから,1つの作品は読者の感性分の完結を持つんだろうなあ,と.

あとは13章.えーと,もはや記憶が曖昧なんだけど,KCNって,あんまり長期間保存できないんじゃなかったっけかと思っていたので,ははあ,と納得しました.かくいう私は,かつて,シアン化化合物の捨てる場所を間違えて,少量の煙を上げさせた事があります.いいのか,こんな危険人物野放しにしておいて.(危険人物というより粗忽者)

ところで,なんで「しずく」を要求したんですかね?何に使う気だったんだろう?

邪魅の雫

日時: 2007年1月22日 | 感想 > 本 |

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