THE ビッグオー

ロジャーってありえない眉毛してるなあ.

――などと,およそ感想の最初の一文としてふさわしくないことから書いておりますが,このところ,ビッグオーを観ていたんですよ.

突然,スパロボDをやりだしたら,ビッグオーが出てきて,そういえばレンタルビデオ店で並んでるのが気になってたんだよなあと思い出し,日曜日に1巻借りたら,ものごっつ気に入って,「こらえられるかコンチクショウ」と夜だったのに出かけて残りの6巻も借りてきて,第1シーズンは見終わったけど,「気になるじゃねぇかコンチクショウ」とバンダイチャンネルで,第2シーズンも観ちゃったという勢いです.

上述の通り,なんとな~くパッケージは気になっていたんです.変なことに,ビデオの背表紙というか,題字を観た時になぜか手塚治虫の漫画かと思ったんですよ.全然違う新作だってのはすぐ分かったんですが,何ででしょうね.

舞台は40年前の記憶を失った街パラダイム・シティ.そこへきて「スタイリッシュな登場人物」「粋な台詞回し」と紹介されているので,ハードボイルド?と思ったんですよ.

1巻冒頭はいきなり「CAST IN THE NAME OF GOD. YE NOT GUILTY(我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪なし)」の文字から始まって,舞台設定の不自然さも相まって,謎と不可思議さがあります.

そして,確かに,スタイリッシュかつクール.音楽もジャズやブルースが似合い.でも,私の好み的にいい方に「もう一押し」がありました.というのは,主人公のネゴシエイター(交渉人)のロジャーが,二枚目半でがっつり熱血漢であったことと,話に暖かみがあったことです.Vous êtes gentilだったわけですよ,ええ.(そういえば,第10話『Winter Night Phantom』を観た時,「ドイツはあるのにフランスはないんだ~」と思った)

「CAST IN THE NAME OF GOD. YE NOT GUILTY」の文字は,ロジャーの動かす巨大ロボット「ビッグオー」の起動時にモニターに浮かぶ文字です.この時の音楽というのが,ざっくり交響楽.巨大ロボットは「メガデウス」と呼ばれています.約せば巨神.妙に「神」を感じさせる部分があります.クリスマスさえ忘れられた街なのに.

そうそう,この世界,アシモフのロボット物の世界観もあるらしく,アンドロイドは「R」付きで呼ばれます.だから,ドロシーは「R.ドロシー・ウェインライト」.どうも「アンドロイドが殺人を犯すのか!」というような台詞がどっかにあったので,ロボット三原則もある模様.

アンドロイド代表ドロシー嬢は,振り向けばウィ~ンちゅう音が入っちゃうような少女で,ずっと無表情なんですが,面白いことに,感情はあるんですよ,最初から.「あなたって最低だわ」という台詞は好悪の感情がないと出てこないもんね.単に感情を表現する機構が無いんですね.

さて,ロジャーはスーツ姿でビッグオーを操縦する素敵仕様ですが,私は崩した格好をしているほど好きです.ガウン姿で髪も下ろしてくつろいでる姿がいいです.んで,「この家では黒を着ること」などと変な規則を作って,「たまには午後まで寝ていたいこともあるんだ!」と言いつつ,なんだかいつも午後まで寝てそうな勢いで,しばしば「R.ドロシー・ウェインライト!!」って怒鳴っているのがたいへん好きです.女性と老人には優しい人間味溢れる人です.ハイ.

まあ,こういう人にはつきものの執事ノーマンは,しっかり万能執事です.普段は夕食の準備を滞りなくやることに生き甲斐を感じているようですが.そうそう,ノーマンとロジャーが2人でジャガイモを剥いている場面があって,それが私はなんとなく好きです.

ロジャーの元上司ダン・ダストンも第1話だと単なる三枚目ですが,実は骨太実直な軍警察ですよ.第10話でコロリと落ちるがいい.

敵......と言っていいのかどうか,マイクル・ゼーバッハことシュバルツバルト.この人はとても好きと言えるような人ではないんですが,モノローグが格好いい.声もいいんですがね,言っていることがいいと思うんですよ.手段さえ選べば,共感できただろうなあ.そういや,なんでミヒャエルじゃないんだろう.ちなみに,ゼーバッハはドイツはシュバルツバルト地方の地名の1つです.

エンジェル.登場時は「謎の女」って感じの人ですが,だんだん陰というか寂しさというかそんな表情も見せるようになって,愛おしくなってきます.

そうだ,忘れるところだった,肝心のビッグオー.ガンガンにロボットアニメしてますよ.重さを感じますよ.ズシーン,ズシーン,ちゅう感じですよ.初登場時,「うわ~,街を破壊することになんのためらいも感じてねぇ!!」と思ったけど.技名こそ叫ばないけど,あの操作系は熱い.ものすごく納得いく操作系だと思う.腕を動かすの見て,「あ~,これならなんか動きそう」と思ったもん.並んだボタンを拳でドグシャ!とぶん殴ったらミサイルがドドドドド!ですよ.

音楽もよくてねぇ.OPはう~ん,ジャンルは何なのかよく分かんないんだけど洋画のようなんですよ.第1シーズンのOPはシルエットで構成されていて,『アラベスク』とか『シャレード』とか『サイコ』とか50年代60年代の洋画OPを思い出しました.

『THE ビッグオー』はアメリカで人気が出てセカンドシーズンが作られたのだそうですが,英語音声の入ったDVDが出るらしい.英語似合いそうなので,聞いてみたい.だいたい,ビッグオーを呼ぶ時の「Big-O, show time!」から動かす時の「Big-O, action!」という台詞からして思わす英語で書かないとならないような気がする発音っぷりなんです.私,なぜか「ビッグオー」は「グ」にアクセントが来ると思いこんでいましたが,「ビ」にアクセントがあってびっくりしました.そりゃ,考えてみればそうなんですがね.

ファーストシーズン13話はオムニバス,セカンドシーズン13話はストーリー物という感じ.う~ん,謎はたくさん残っているし,サードシーズン作ってほしいなあ.

(すまん,読み返す気すら起きないほど殴り書きだ)

THEビッグオー Blu-ray BOX

日時: 2007年2月22日 | 感想 > 漫画/アニメ |

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