東京国立博物館に特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ ― 天才の実像」を見に行きました.中学の時に美術の先生が「ヴィンチ村のレオナルドさん」と言っていたのがどうにも頭に残っているレオナルド・ダ・ヴィンチですが,どちらかと言えば絵よりも手稿が観たかったのです.美術館ではなく博物館での開催に期待大です.
上野駅から公園を通ってとことこと東博へ.
門の右側に自動券売機がありますので,買います.1500円なり.(今,確かめたら,WEBに割引引換券があった.これから行く人はチェック)
入って右の方が第一展示場だというので,歩いていきますと,よくよく見てみれば長蛇の列.いったい何かと思えば,日本初公開の『受胎告知』があるのですね.列を見て回れ右をしそうになりましたが,意を決して並びました.20分待ちだったから,たいしたことはなかったんですが,手荷物検査(私は荷物を持っていなかったけど)があって,金属探知器をくぐらないといけなかったのです.物々しい.50人ずつ中に入れられるのですが,薄暗い場内の蛇行する通路の先に絵が一枚.「立ち止まらないでください」と係員の人は言ってるんだけど,前の人が全然動かないので,よく分からないうちに人ごみに紛れてしまい,這々の体で出てきました.なんだか見た気がしない.ちっともありがたみはなかったです.しかも,私,ルネサンス期の絵ってさほど好きじゃないんですよね.何というか……うーん,醸す物が暗くて.
第一展示場はこれだけ.
いよいよ本命の手稿がある第二展示場.
全然知らなかったのですが,レオナルド・ダ・ヴィンチって完成している絵が少ないんだそうです.入ってすぐのところに年表とその頃の絵がプリントされた壁がありました.モナ・リザの表題の所には「ラ・ジョコンダ」とも書いてありました.そっちが本当の題名なんだろうか?でも,ジョコンダというと私が思い出すのはポンキエルリです.『洗礼者聖ヨハネ』の絵が私には怖かったんですが(あの微笑みが何かたくらんでそうで),本物を見たらまた印象変わるかな?
ま,それはおいといて,今回お目当ては手稿です.手稿の語るレオナルドの思想です.
人体の比率を考察する,というのは絵画を描く人として普通だと思うのですが,工学者何じゃないかと思うようなメカニズムをいろいろと考えているところや,幾何学的な話も多くて面白かったです.ただ,手稿自体は人が多くてあまり見られませんでした.
あと,たぶん,レオナルド自身が考えたことと,現代までの科学が解明した正答は乖離していると思うんだけれど,その部分の解説があんまり無かったのが不満だなあ.いくつかは分かりやすい映像もあったけど.ただ,永久機関のビデオは何故にそれが永久機関たり得ないのかというところまで付けた方が良かったと思うよ.見ている人がみんな首をかしげながら通り過ぎていました(笑).「正12面体は同じ面積の立方体に変化する」というのが何を言いたいのか分からなくて,模型の前で唸っていました.正七角形の作図の証明やってみたかったけど,頭回りませんでした.むぅ.
本で見てみたくなったなあ.レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿を解説した本ってあるのかなあ.あ,図録買えば良かったのかな.ちょっと眺めてくればよかった.
本当はこの展示だけではなく,常設展も見ようと思っていたのですが,疲れたので止めてしまいました.体力が…….それと,3月の東京は私の皮膚にとって鬼門です.掻きすぎて首にラッパみたいなものをはめられちゃうボタンインコになった気分でした.(比喩が分かりにくい)