ミッドウェイである.ミッドウェイ級航空母艦のネームシップである.第二次世界大戦後に就役しているので,かのミッドウェイ海戦とは直接は関係がない.
今は退役して(戦艦って往々にして人扱いなのが面白い),サンディエゴに係留され,博物館になっている.
入館料は17ドルでオーディオガイド料も込みである.オーディオガイドは日本語の物もあるらしいが,なぜか訊かれもせずに英語版を渡されてしまったので,日本語版の出来がどうだかは不明.面白かったのは,退役軍人料(10ドル)があったことと,現役軍人は無料であったことだ.
「見学に1.5時間から3時間を費やすことを推奨します」とのこと.17時で閉館なので早めに行こう.
最初に記念撮影をされるのだが,気づかずにスルーしてオーディオガイドの機械を受け取って順路通りに進む.狭いところをグルグル上行ったり下行ったりしたのだが,艦の中ってのは,いろんな施設が詰め込まれているもんだなあと感心した.この中で長期間すごさなけりゃいけないんだから当たり前なんだが.階級ごとに明確に待遇差があって,分かってはいたが,こう明示されると何とも言えんなあと思った.
ミッドウェーは長い間横須賀に居たそうで,外務大臣などから感謝状が贈られていたのだが,「アメリカ合衆国海軍 航空母艦ミッドウェー」宛だったのが面白かった.やっぱり,艦は人扱い.
航空母艦の博物館だけあって,いろんな戦闘機が展示してあった.私,知らなかったんだけど,戦闘機の翼って畳めるんだね.
日本にいたことを記念して来賓用の食堂は日本風です.という説明があったんだけど,そうかあ?彼らにとって日本風とはでっかい金色扇のことなのか?リエージュ行ったときも日本は扇だったよ.何故だ.私はなんとなくこういう扇を見ると中国な気がするんだけど,それもまた偏見なのだろう.
むしろ,床屋の隣にあった何だかよく分からない引き戸に日本を感じた.
ミサイルのエレベーターである.こういうとこは戦艦だよなあ.
ミッドウェー海戦の戦績も展示してあったんだけど,説明書きに中島のE7K1がDaveって書いてあったけど,E7K1は川西の九四水偵で,米側のコードネームはAlfです.コードネームDaveは中島のE8N1 九五水偵.三菱のA6M2のコードネームZeroも書いてありました.(このコードネームからゼロ戦という呼称が一般化したのだと聞いた)
見ていて思ったのは,どうも第2次世界大戦というものはまだまだ遠くはないようだということだ.敵国日本の人間であるので,なんとなく微妙だった.いや,もちろん,気を使ってあるんだよ,展示は.ただ,アメリカと日本が戦ったというのは厳然たる事実だなあと思ったのだ.これねえ,現地で一緒に仕事してた人に「ミッドウェー見てきました」と言ったら,「どうでした?日本人いっぱい殺したって書いてありました?」と言われて,やっぱり微妙だなあと思った.
さて,もうひとつなんとなく心がシンとした物.
これにはThe POW/MIA TABLEという説明が付いていた.我が国のために戦い,もはや我らと共には在らぬ者
のためのセッティングなのだそうだ.説明を引用する.
The table is small to symbolize the frailty of one prisoner against his oppressors.
The table cloth is white to symbolizie the purity of intentions to heed their country's call to arms.
The single rose in the vase reminds us of the families and loved ones of our comrades-in-arms' return.
The red ribbon attests to the unyielding determination of thousands who demand a proper accounting of our missing
The lemon slice upon the bread plate reminds us of their bitter fate.
The salt upon the bread plate is symbolic of their families' tears as they wait.
The glass inverted as they cannot toast with us tonight.
The seat is empty for those who are not here.
Remember.
んで,これ,ふと外見たときに飛び込んできたもんなのだが,分かるだろうか.水兵とたぶんその恋人が抱き合っている巨大な像(周りの木とサイズを比べられたい).これ見た途端,「このメリケン人!!」と思ったのは私だけだろうか.(笑)
甲板へ.
広かった.当たり前だが.
ここには大戦機からの歴代の戦闘機が並んでいた.いっこいっこ説明書きがあったのだが,もはや閉館時刻が迫っていて(14時半から行ったんだが),駆け抜けるしかなかった.疲れてたし.
本当は上司に「シーワールド見てこい」と言われていたんだが,とてもそんな元気はない.サンディエゴではこんな三輪車(輪タク?)が街をたくさん走っていたのだが,物凄く乗せてほしかった.