長靴をはいた牡猫(ルードヴィヒ・ティーク)

シラーの『ヴァレンシュタイン』を借りてきたときに近くに並んでいて,「そういやこの話どんな話だかちゃんとは知らないなあ」と思い,借りてみた.

が,読み出して間違いに気づいた.これ,有名な童話じゃなくて,それを借りた演劇界(文芸界)批判だったのである.そういや『長靴をはいた猫』ってそもそもシャルル・ペローだったっけ.(気づけよ)

『長靴をはいた猫』を上映しようとする作者,役者,大道具などなどと,文句つけまくりの観客とが入り乱れている上,劇がなんか微妙に変だ.大筋間違いなく会ってるんだけど,周りを気にしない恋人たち(しかも結婚後すぐに倦怠期),なんか変な王様とその娘の王女.

何を批判したかったのかと言えば,何だろう,ひと言で言えば,芸術は心で味わうものであって知識でこねくり回すものじゃないってことなのかな.途中で劇場から追い出されてしまうやけに衒学的な観客は,ティークの時代有名な演劇界の権威だったらしいので,えっらい怒ったんじゃないかなあ.

薄いから読めるけど,物凄く面白いかと思うと首を傾げる.

長靴をはいた牡猫 (岩波文庫 赤 443-1)

日時: 2008年8月27日 | 感想 > 本 |

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