私が彼女に初めて会ったのは彼女が白髪染めを探しているときでした

Sousuiです.アメリカです.現在,シリコンバレーにおります.

既に車を逆走したりGoogleのセキュリティにとっつかまったりまあいろいろやってます.

えーと,今週の日曜日は現地の人にショッピングセンターやブランド街を案内してもらいました.

というか,私,なんでこの人と知り合いになったのか我ながらよく分からない.

つまるところそれは「私が彼女に初めて会ったのは,彼女が白髪染めを探しているときでした」という英作文の練習みたいな文章になるわけです.うーん,なんか冴えないなあ.

詳しく説明すると.

ホテルの向かい,一番近いスーパーは日系です.アメリカ来るまで「醤油ぐらいはあるだろうけど,どうしよっかなー」と思ってたら,なんのこたない,何でもあります.こしひかりもあきたこまちも売ってます.めんつゆも売ってれば,レピシエの茶葉だって売ってます.富山産みりん干しとか.ちと高いのですが,今は円も高いですからね.

さて,その日,私はなかなか時差ボケから復帰できず,ぼーっとスーパーを歩いていると,商品を手にとって難しい顔をしていた女性が突然私に訊きました.

「あなた,日本語読める?」

「ええ」

「私,ダークブラウンを探してるんだけど,これ,なんて書いてあるの?」

商品は日本製の白髪染めでした.

「ああ,それはライトブラウンです」

「何?」

何回も聞き返され,何回も言い直してはたと気がついた.

し,しまった,ボケてた,right brownって発音してた.正しい茶色ってなんだそりゃ.

「すいません,light brownです」

「じゃダメだ.ダークブラウンが欲しいんだから.じゃ,こっちは?」

それにはナチュラルブラウンと書いてある.そんな説明のしにくい分け方をするな,と思わずメーカーにけんかを売りたくなった.

「ええっと......」

「こっちの方が濃く見えるんだけど」

「それはですね,言葉通りならnatural brownって書いてあって......あ,これ,これがdark brownですよ!!」

奥にダークブラウン発見.あってよかった.

「ありがとう!――あなた,どこから来たの?」

「日本からです(当然ながら)」

「いつ?」

「えっと......2日前です」

「ええ?!2日前?!ほんと?英語どこで習ったの?」

「え゛.あー,そのー,学校に行ってたときに......(←このあたりから片言になっていく)」

「私も12年前にここに来たから今のあなたの気持ちすごくよく分かる!」

あー......私は今時差ボケで眠くて眠くて仕方がないんですが.

「ここには何しに?」

「うーん,とある会社で,うーん,インターンシップです.(←さっぱり正確でないが英語で込み入った説明をするのは不可能だった.だいたい,日本語で説明するとしても実は面倒なのだ)」

「そうなんだ.週末とか空いてるならこの辺案内してあげる.どこに何があるとか分かんないでしょ?」

「どうもありがとうございます」

「連絡先教えてくれない?」

「えーっと,名刺ならあるんですけど」

「携帯の番号書いてある?」

「(うへえ,掛けてくる気か!英語で電話って恐怖なんだが)携帯は契約はしたんですがまだ届いてなくて番号が分からないんです」

「じゃあ,メールアドレスと携帯番号教えるから分かったら連絡してね」

「はい」

というのが彼女との出会いだったわけです.

その後,携帯が届いたときに,番号を教えようとして彼女の番号を連絡してしまうというボケたことをしつつ,メールのやりとりをしました.

彼女,なにかと「自信持ちなさい,あなた英語うまいよ.だって,何言ってるか私分かったし」と言ってくれます.きっと心細く思ってると思ったんだろうなあ.いや,そんなに気を遣ってくれなくていいです.単に現状認識してるだけです.書くのはまだマシですが,しゃべるとtenseがめちゃくちゃです.あと,native speedでしゃべられると60%ぐらいしか分かりません.

彼女の流ちょうな英語を聞き間違ったかもしれないなーと思いながら,せっかくの縁だから一度ぐらい会ってみるか,と「よかったら普段文房具とか電化製品をどこで買ってるか教えてもらえませんか.あと,喫茶店とかレストランとかのおすすめも教えてください」とメールを打ちました.

そしたら電話がかかってきました.

ひゃー,英語の電話!ジェスチャーが使えない!

「メール見たよ!もちろん紹介する.土日が空いてるんだろうけど,私,土曜は都合が悪いんだ.日曜,どう?」

「あー,いつもなら土日空いてるんですけど,24日はあいにく空いてないんです」

「スケジュール入ってるってこと?」

「はい.あーうー,えーっとサンフランシスコに行くんです」

誰が言えるか,スタトレのコンベンションに行くなどと.

「そう......」

「次の日曜はいかがでしょう」

「次?」

「31日です」

「24日?」

「いえ,31日です」

「twenty-4th?」

「thirty-1stです.end of Januaryです」

「twenty-4th?」

「違います,thirty-1stです」

「twenty-4th?」

すいません,かなりめげました.

結局,メールで連絡したら,「ごめんごめん,運転してたからよく聞こえなかったの」

運転しながら携帯掛けていいんすか?

というわけで,31日は彼女とあちこち行ってました.

日時: 2010年2月 3日 | 旅行記 |

コメント (2)

すごい!2日でお友達になれるなんてー!
向こうの人はフレンドリーなんですかねー。
でも海外に行っても文房具や電化製品というのがなんかそうすいさんらしいですな!
自分も今針なしホッチキスを探し回っている口ですけど・・・

>向こうの人はフレンドリーなんですかねー。
いや,ここの会社の人に聞いたんですが,「えー,私10年いますけど,そんな経験無いですよー!」と言われました.
しかも,言動がやたらフランク.これも会社の人に「アメリカ人ってこうなんですか」と訊いたんですが「いや,それはない.その人はかなりぶっちゃけ系」と言われました.
あ,アメリカ人と言うよりもアメリカナイズされちゃった中国人かな.北京から10年ぐらい前に来たそうです.世話をせねばならんという意欲に燃えているのか,いろいろ連れ回してくれて面白いです.

>針なしホッチキスを探し回っている
こっちに来る直前にカタログを見たコクヨの新製品が気になってます.
http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20091117-037.html

今までに出ている商品はちょっと力かけるとけっこう紙がバラバラになって不満だったので,これなら外れなさそうだなあと.でも,でかい.

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