江戸伝承版木による北斎漫画と冨嶽三十六景展

富山県水墨美術館に「天才絵師葛飾北斎生誕250年記念 江戸伝承版木による北斎漫画と冨嶽三十六景展」を見に行った.

水墨美術館は神通川沿いにあるこぢんまりとした美術館なのだが,なかなか風情があって大好きなのだ.なんせ,入り口の池に鴨がいっぱいいるし(そこか).友人は「あの頃に作られたハコモノの中では一番成功していると思う」とのたまう.まあ,お前の趣味にピッタリだしな,と思わんでもないが,そこそこ人が入っているので,あながち的を外してもいないんだろう.

さて,今回の北斎展なんだが,芸艸堂が創業120周年記念事業として伝承版木から『北斎漫画』の手摺版を作成する事業を行い,それが完成したのを機会に行ったのだそうだ.

北斎の何が好きって,絵が好きで好きでたまらなくて筆持たせたら何か描いてそうなお爺ちゃんってイメージがあるからだ.北斎漫画見てると,筆でようここまで書くわー,それを3色版画でよくここまで表現するわー,と思う.嵐に吹かれている様相なんか,すんごく動的でびっくりする.かと思えば,なんでそんなも描いてんの!!ってくだらない格好とか様態を描いてんのがたまらない.

あと,絵の描き方みたいな本があって,けっこう売れてたらしい.もう,江戸時代からそんなんあって,しかも需要があったという事実に笑ってしまった.

私が好きなのは有名だと思うけど「縦→横」ってヤツ.今風の意味でコマ漫画っぽい.

あと冨嶽三十六景は構図のアイディアがすごいなあと思う.もはや富士山が主役じゃなくなってんのもあってさ.

富山でこういう展示やってくれると幸せに思うのは,東京みたいな常軌を逸した混みようにはなんないから,見放題でガラスに張り付いていてもさほど邪魔にならないこと.今回も張り付いてかぶりつきで見て,見終わった後にニコニコしながら美術館を後にしたのであった.

日時: 2010年10月23日 | 感想 |

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