一生に一度ぐらい雪の大谷に行ってみるかと.

Sousui
室堂ちゃ標高どれぐらいけ.
2450m.

即答かい!それは富山人の常識なんかい!

てなわけで.ゴールデンウィークの1日は立山に行こうと思っていた.一度ぐらい雪の大谷に行きたかったのである.天気予報とにらめっこして,最初は30日に行こうと思っていたのだが,それはもう見事なぐらいに予報が外れ,一日中風は吹くわ雨は降るわ.むべ山風を嵐と言ふらむという体たらくだったので,じりじりと延ばしていたのである.

4日もさほどの天気ではなかったのではあるが,ともかく雨ではなかったので早起きしてでかけてみた.

早起きしたのは,まあ,立山黒部アルペンルートの人気スポットであり,今年は地震その他の影響で中国・韓国のお客さんが大幅に減ってはいるものの,混雑は免れないからである.

立山のちょっとしたウリは,海抜数mの富山駅から公共交通機関を乗り継ぐだけで標高2450mの室堂という地点まで行けてしまう点である.あっと,よく言われるのだが,「立山」という「山」は無い.立山は「立山連峰」と言うとおり,そのあたりの山々全体の名前である.最高峰は,大汝(おおなんじ)の3015m.

さて,富山駅に行って地鉄(=富山地方鉄道)に乗れば立山まで行けろうわい,と富山駅へ.地鉄はめったに利用しないので勝手がよく分からない.駅員さんに室堂まで行きたいと言ったら,窓口で買ってもらえば,室堂までの往復切符を一気に買えるという.言われたとおりに買うと,立山駅で乗り換えるケーブルカーの予約もしてくれる(室堂までの道のりではケーブルカーの輸送力が律速である).往復で6530円なり.

6時15分入線,6時28分発車.GWパワーか,始発駅かつ朝なのに席は埋まっておりました.

富山は駅から出て5分もすれば,田んぼの広がる風景に変わる.街の育ちを自称する母なんかはバカにするんだが(苦笑),列車のガタゴト言う音を聞きながらぼんやりと窓の外を眺めるのは好きだ.

うーん,物の見事に曇天だなあ.

立山駅近くになると,山らしくなってくる.と言っても,立山駅はまだ標高475m.7時半ごろ着いた.この辺りから寒くなるだろうと,用意してきたコートに着替え.ここまではマイカーでもらくに来ることができるが,この後はマイカー規制で,公共交通機関か観光バスしか入れない.

立山駅から美女平までがケーブルカーなんだが,7分しか乗らないのにここが混む.とはいえ,朝は待たずに乗れたけど.

それにしても,立山駅のピクトさんは盛大に転びすぎだと思うんだ.

立山駅7時40分発.7分で500mほど登る.最大勾配は29度.スキーなんかやってる人なら分かると思うが,はっきり言って体感は垂直絶壁である.

美女平は標高997m.新緑の季節ならハイキングも良いんだが,さすがにこの季節は歩く気にならない.高原バスは数台ずつやって来るので,そそくさと乗る.これで室堂まで運び去られるわけだ.もし乗れるなら,進行方向左側に乗ると良い.落差日本一の称名滝も,絶壁を見下ろす光景も左側にあるから.

うむ,雪ですな.横に立ってる棒を目印に除雪したり運転したりするのだろうか.

室堂には9時ちょっと前に着いた.さすがにちょっと寒い.コートの下はタートルネックのフリースだったが,もう1枚欲しかった.

雪の大谷ウォークは9時半からだという.雪が降るたびに除雪し直していて準備をするせいらしい.30分どうしたもんかいなと思っていたら,準備が終わったらしく,9時10分頃から解禁になった.

雪の大谷と呼ばれる地点は,室堂からちょっと戻る方向に歩いたところ.

では,何枚かご観覧ください.

最初は曇っていたのだが,歩き回った後,一服していたら晴れてきたので,もっかい写真撮りに出た.根性で下まで除雪してある.

てぶくろ,てぶくろ,とだだをこねている子供がボツボツいたので,用意することを勧める.てか,気温0度なのだ,ともかく冬のかっこして挑め.あと,ストールなりマフラーなりで顔をできるだけ覆った方がいい.でないと360度全方向からこんがり焼けてしまう.サングラス必須.

ここは最深部ではないけど,観光バスの3倍ぐらいあるのが分かるだろうか.今年の最深部の高さは17mで,5階建てぐらいだそうた.案内板は使い回せるように高さとか雪の重さの部分がマグネットになってた.(笑)

除雪するロータリー除雪車には「立山熊太郎」という名前が付いている.何で付けたんだよ!誰が付けたんだよ!それ以前に,なんでここを除雪しようなどと考えたのだろうか.

見上げるとこうなる.

我が上司にして山男のI氏いわく,いちおう目印付けたりGPS使ったりで除雪するんだけど,ベテランともなると,もはや勘とか周りの山の位置とかで除雪できちゃうんだそうな.ちなみに,雪の大谷区間の除雪には1週間から10日かかるそうな.だからほんとに,なぜ除雪した?まあ,観光の目玉になってるんだから先見の明があったと言うことか.

こんなとこからも「がんばろう日本」.

雪の壁の上(?)に登っていく道もあって,「パノラマロード」と称している.

完全なる雪道だが,絶景.行くなら冬靴必須.間違っても底つるつるの革靴で行こうなどと思うな.

このパノラマロードに穴がちょっぴり空いていた.ああ,ここに物落としたら絶対に取れないなあと思った.

雪の壁の一部はメッセージを刻んで良いことになっている.それでも海外からのお客さんはあったらしい.いらっしゃい!

せっかく室堂に来たのだからと,雪の大谷とは逆の北側も行ってみた.雪が解けたら観光のメインはこっち側なんだが.

うむ,見事に雪原である.

って,あれ?ここ,こんな広い原っぱだったっけ?みくりが池方向に向かって,すぐさま山あり谷ありの細い道があったような......

全部,雪の下か!

充分歩いたので,そろそろ帰るかと思ったのが12時.が,すでに下山ラッシュが始まっていた.

室堂を出る高原バスが1時間待ち.いちおう12時50分に乗れたのだが,下りの運転は荒い.ブレーキ踏み踏みになるから仕方ないのだろうが,物の見事に吐いた.

空腹抱えた13時40分,美女平に着いたのだが食う物が無い.軽食がない.仕方なくコシヒカリ最中アイスで空腹をごまかす.ここのケーブルカーも待ちが酷い.高原バスに乗る前に整理券をくれるのだが,すし詰めのケーブルカーに乗れたのは14時20分だった.混雑具合ですか?そうですね,平日朝9時の有楽町線ぐらいです.

地鉄も覚悟してたのだが,立山駅で一気に混雑は解消される.てか,電車ガラガラ.人どこ行ったの?みんなここまでマイカーだったの?

電車を待つ間にツバメの巣があるのを発見.看板の上にマスコット乗ってると思ったら動くという驚きの仕様.

立山駅は14時49発.

窓から.ああ,雪が無い.ああ,帰ってきたなあ.

富山駅に着いたのは16時近く.帰ろうと思い立ってから4時間弱である.着いた途端,ラーメン屋に駆け込んでしまった.

日時: 2011年5月 4日 | 旅行記 |

コメント (2)

見ただけで圧倒される雪の量ですね。

左右真っ白なだけだから一度行けばいいかなと思ったんですが,紺碧の空の下で写真を撮ってみたいので来年リベンジするかもしれません.天気次第ですけど.

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