素晴らしき哉、人生!
前から観てみたかったので年末にレンタルしようかなあと思っていたら,TOHOシネマズの「新・午前十時の映画祭」で調度やっていたので,これ幸いと観に行ってきた.
譲り続けた男が窮地に陥って,とうとう人生を悲嘆した時に......という話.やっぱりハンカチの要る映画でした.
いきなり宇宙空間から始まるのが意外だった(天の意味なんだけど).
興味深かったのは,彼が単純に人が良くて譲り続けたわけではなく,やりたいことや叶えたい夢があったけれども,他を見捨てられなくて夢を諦め続けてきたところ.葛藤しながら選んだ選択肢が尽くすことだった.そんな彼が1つだけ譲らなかったのが妻の選択で,泣きながら自分に正直に生きたいと縋り付くように選び取ったのだ.自分たちのために使うはずだった二〇〇〇ドルが恐慌時を切り抜けるために二ドルになってしまって,その二ドルをうきうき恭しく金庫にしまい,奥さんがいないことに気づいて家に帰ってみたら,奥さんがボロ家をきれいに飾り付けて精一杯のディナーを用意している.そこでどうにも泣けてきてしまった.
最後に窮地に陥る理由なんですが,......正直,何やってんだ~叔父~!!と思いました.大金持ってる時に余計なことするのはやめましょう.
それで,天使と名乗る男に会って,自分が居ない人生を見せられて,結局のところ,自分の幸不幸よりも,自分がいたために幸福だったはずの人々が不幸に陥っていることが彼には耐えられなかったんじゃないだろうか.
最後は譲り続けた人生に彼は助けられたのだと思う.
金持ちの気のいい友人も好き.もちろん,苦労を見てて分かった上での信頼だったろうけど,ポンと金を送って寄越す,その気っぷの良さが.
主人公の仕事は住宅金融なんだけど,なかなか意味深だなあと思う.家は家庭そのものを育む殻なんだなあ.