グリコがオフィスにやってきた
勤務先はビルのワンフロアぶち抜きの広い物なのだが,何の因果か,私の席は入り口の近く.
ある日,スーツを着た男性がやってきた.
「江崎グリコと申します」
「はあ」
「今日は,お菓子の入った箱を置かせていただけないかというお願いにまいったのですが」
説明される前からピンと来てしまった.というのは,これは,富山の薬売り方式の販売で,日経か何かに売れていると書いてあったのを覚えていたからだ.
興味津々で説明を聞く.お菓子は全部100円均一で,1つ取るときに貯金箱(カエルの形をしている)に100円玉を入れるのだという.
「100円を入れなくても箱は開くんですけどね」
「そうなんですか!!」
あとで,お菓子好きなKさんに聞いたところによると,「そんなんじゃペイしない」という意見も社内にあったんだけど,実験的にやってみたら,回収率は90%ぐらいだったのだそうだ.日本はいい国だ.
さて,その箱がとうとうやってきた.さっそく100円を握ってカエルの口へ.どうなって100円が入っていくのだろうとワクワクしていたら,口のところの板が絶妙なスロープを描いていて,バッタンと倒れておなかの中に入っていった.面白い.これを見たいがために何枚も入れてしまいそうだ.
誰かもう入れたかなあと思って,カエルを揺すってみようとしたら,おいおい,このカエル,置いてあるだけだよ!!ほんとに貯金箱でしかないよ!!こんなに無防備でいいもんかいなあ.
本当に日本はいい国だ.