長島良三著/読売新聞社 YOMI BOOK/昭和53年10月10日 第1刷/206ページ
メグレ物をよく訳している長島良三氏によるメグレ物解説書。いろいろな本の奥付に書いてあった解説を集めたもので、読んだことのある部分もいくつかあった。おおむね、メグレ物の中から寄り集めてまとめ上げた文章である。
長島良三編/パシフィカ発行 プレジデント社/1978年12月25日 初版/197ページ+α
いやあ、これはすごい。1冊丸ごとメグレ本である。メグレ物ゆかりの地の写真,メグレ物のパセティッシュ,エッセイ,当時未訳だった中篇,付録としてメグレ物作品リスト,メグレ警視年表。一見の価値はある。問題は入手が困難なことだ。
ウィリアム・ブルテンという人の『ジョルジュ・シムノンを読んだ男』というパロディはなかなか面白かったです(この人、この手のパロディがいくつかあるみたいですね。『ディスクン・カーを読んだ男』とか)。しかし、ナルスジャックの『メグレほとんど最後の事件』は違和感バリバリでうーん…しかも、なぜかジャンビエのほうがリュカより偉そうな訳し方でした。
あ、この本でグロッグという飲み物がやっと分かりました。「ブランデーやラムに湯または水を注ぎ,砂糖とレモンを加えたもの。冬、風邪をひいたときなどに愛用される」んだそうです。そうか、フランス版葛湯(or生姜湯)だな。
メグレ警視入門 長島良三/メグレ警視事件簿/メグレ警視関係年表/メグレ・シリーズ邦訳作品リスト
座談会 メグレの世界 桶谷繁雄+都筑道夫+長島良三
シムノンについて 植草甚一/メグレのパイプ 矢野浩三郎/シムノンのこと、メグレのこと 長島良三/マグレと若い女の死 青木雨彦
私の会ったメグレ 都筑道夫/メグレ以降の探偵たち 日影丈吉/シムノンとメグレ 桶谷繁雄/殺人読本―メグレ警視 ターゲ・ラ・コーア+ハラルド・モーゲンセン
メグレ警視論 トーマ・ナルスジャック/英米におけるメグレ像 小林武/メグレ警視のお好み料理 日影丈吉
ジョルジュ・シムノンを読んだ男―パロディ ウィリアム・ブルテン/メグレほとんど最後の事件―贋作 トーマ・ナルスジャック/北の星―未訳中編 ジョルジュ・シムノン
メグレとボンドの世界を語る ジョルジュ・シムノン+イアン・フレミング
「パリのサツ廻り」が見たメグレ 荻野弘巳/メグレの敵 三輪秀彦/メグレと酒 小佐井伸二/シムノンの略歴 長島良三
パリ立体地図 宍田利孝/メグレ警視の部屋 宍田利孝/メグレのパリ点描 喜多迅鷹/メグレの原作本/メグレのパリ観光案内 遠藤紀勝/映像のなかのメグレ警視/メグレ警視の協力者たち 宍田利孝
長島良三/読売新聞社/昭和59年3月15日 第1刷/329ページ
長島良三氏によるエッセイを集めたものである。メグレ関連がやはり多い。メグレの足跡を追ってパリを歩き回った時の話である『メグレ警視のパリ』が面白い。タクシーの運ちゃんにフランス語の発音を教え込まされ、いろんな話を聞けたというところが私には一番面白かった。カチンと来る文章がないではないけど(苦笑)。フランスに傾倒してるんだなぁと思う。
ロベール・J・クールティーヌ著/菊地道子訳/文化出版局/1979年
メグレシリーズの随所に出てくる数々の料理・食べ物をクールティーヌ氏によって著わされたLe Cahier de Recettes de MADAME MAIGRETの翻訳である。抄訳らしい。未読。上述の『名探偵読本-2 メグレ警視』にちょっぴり内容が載っていた。