獨唱

大地の揺籠(アースクレイドル)を一人守ってはや数年、孤独にはすっかり慣れ切った。

そもそも彼が実質一人になったのは遙か昔のことだった。仲間も部下も失っていて、それがいつのことかすら分からない。奉職していた軍も、それを抱えていた国も、もう()うに消え失せている。

唯一。

彼と同じ年月を過ごした女性(ひと)もあった。計画(プロジェクト)の早い段階で彼女は人でなくなっていたが、それでも同じ年月を過ごしたには違いなかった。だが、辛うじて残っていた彼女の意識の残滓も、月に於いて消え果てた。

生き残った彼に、後を追うという選択はない。

だが、もし、あの最期の瞬間、天上においても守れと言われたならば、この身一つになったとしても、再び貴女の剣としてついて行く気はあったのだ。

広大な廃墟を背に、彼は水平線を眺めやる。

大地は今日も乾いており、

天空は今日も晴れている。

平成二五年一月三日 初稿

補足説明

診断メーカーの誰が思い浮かんだーやったら,

Sousuiに質問。 「それでもついていきたかった」 この言葉で思い浮かぶCPや人物は何ですか?できれば情景つきでどうぞ!

という結果で,見た途端,文章思い付いた.