「年末ジャンボ,3億円だよ,3億円」
とAさんが言った.
「3億円当たったら,仕事やめちゃうんじゃないですか?」
と可笑しそうにBさん.
「俺だったら3億もあったらダメになってしまう」
とCさん.「パーッと使って.『杜子春』みたいに」
「杜子春?」
Bさんが訊き返したとたん,Cさんが『杜子春』の筋を語りだした.途中,電話がかかってきたが,応答が済むと再びCさんの熱弁が始まった.
「そこで,「お母さん」と言ってしまうところが,泣かせどころなんですよ」
という言葉で終わったのだが,私は横で聞きながら仕事中になぜ芥川竜之介なんだ,と笑い転げていた.
その後,Bさんが
「小学校1年の教科書の最初のページ,なんだった?」
と言うので,
「たかい,たかい,くもが,くもが」
と答えたところから教科書談義になり,『くじら雲』だの『大造じいさんとガン』(椋鳩十!とCさん)『ごんぎつね』『てぶくろを買いに』『花の道』と懐かしい題名を並べ立てて遊んでいた.Bさんは中学の英語の教科書にあった『Mujina』を暗証してみせた.(Long long ago, there was a slope in Edo.から始まるのだそうだ)
怒涛の特別委員会ラッシュの合間のひとコマである.