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2008年12月

2008年12月10日

人間失格(太宰治)

前振りその1

何の用件だったか忘れたが,上司に報告に行ったら,「本当かい?」と言われてにっこり笑われた.何かを引用しているような口ぶりだったので,それ何ですか,と聞いたら,『人間失格』だと言われた.いや,私,『人間失格』で知ってる台詞は「わざわざ」だけなもので.

前振りその2

仕事柄(なのか?)妙な人にたまに会うんだが,9月の東京出張の際に,「太宰治の弟子」を名乗る人物に会った.その人はメタボ対策にマラソンをするんだ,とのたまい,1時間ごとぐらいに運動の状況を報告に来てくれた.(報告されても......)

てなわけで,太宰読んでみるか,と思い立った.

確か,私が小学校のころに母が『斜陽』か『人間失格』かを読んでいたはずだと本棚を物色したら,文庫があったので,もくもくと読んでみた.

恥の多い生涯を送って来ました.でいきなりガツンとやられてね.多分,感じたのは共感だ.

程度の差こそあれ,きっと誰でも思い当たる節があるんじゃないかなあ.少なくとも私は多少の共感を覚えた.人格に何等かの仮面を被らせずに生きている人の方が少ないんじゃなかろうか.ただ,普通は他者との係わり方をもう少しうまくできるようになるか,あるいはあんまり深く考えなくてもいいってことに気づくから,そこまで陰鬱にならなくて済むんだろう.

父が子供だった主人公に土産を買ってくる場面があるんだけど,そんなもんだろうなあと思う.子供の思慮が親を凌いでいる......というか,親が必ずしも子のことを計り知れないことってのはある.普通はそれは恐怖と安堵という経験にはならなくて,がっかりだったり,怒りだったり,親に対する冷笑だったりで終わるんだけど.主人公は自分に自信という物を生涯持つことができなかったから,そういうふうには思えなかったのだろう.

長じて,学校をやめて居候状態になった時のヒラメの態度.ああ,やっちゃいけないことを,と思わずにいられない.迷走していて自分で何かできない状態にある人に,決心とか自立とかを迫ることが土台無理.ハタから見ていて,「やる気があるかどうか」ということが重要視される(やる気がない奴を安易に助けたくない)のも分かるから,一方的にヒラメは責められないけど,でも,主人公の思考も分かるんだよ.何やっていいか,何が正しいのか,分からないんだもん.でも,人生って過ぎて行って,その間の生活費ってかかるんだもん.

世間とは個人じゃないかというのは本当のことだと思う.「常識」とは人によって違うみたいに.

生涯でいちどだけでいい,祈る.ってところでね,「幸福」の中に入りたいと思わずに,「幸福」に混じっちゃいけないんだと思い込んで,去ってしまうところが,救われないところなんだろう.罪の意識をずっと持っている気がする.自分は世間並みになっちゃいけないんだ,なれないんだ,とずっと思っている.そういう原罪じみた,拭えない罪なんて抱えてはいないのに.

主人公の妻が,主人公の一顰一笑にさえ気を遣うようになった出来事.責めていないのに,怯えてしまって,心から笑ってくれなくなった,それが悲しい.でも,どうしたら良かったというんだろう.逃げなければどうなっていたのだろう.離縁ということにはなったのかもしれない.でも,精神的に壊れずに済んだんじゃないか.この後,何も知らずに妻が薬を渡す場面があって,ああ,やっぱり,この人は無垢で,こんなことが起きなければ,二人とも救われていたんじゃないかと,少なくとも人並みの生活はできていたんじゃないかと,思わずにいられない.

ただ,一さいは過ぎて行きます.

最後の一行を読んで,結局,誰にも理解されなかったんじゃないかと泣けてきた.手記を託した人でさえ(託そうという気になった人でさえ),理解とは程遠かったんじゃないかと.

2008.9 読書開始 - 10.8 読了

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

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2008年12月21日

さくらのブログを解析と年末年始チャット開通.

さくらのレンタルサーバには,「さくらのブログ」というサービスがついているのでござるよ(なぜ「ござる」).SeesaaのOEMで,ソースはいろいろといじれるのだけれど,変数の開設が公式になされていないのと,ページの作りがよく分からないので,HTMLソースを読んで,頭をひねりながら解析していたのでござるよ.

それで,なんかずいぶん労力を傾けたので,まとめて公開したらいいんじゃないかとwordでぽちぽちファイルを作っていたら,半月ぐらいかかったよ.この暇人め!いや,暇じゃなかったんで,どちらかと言えば現実逃避.こー,なんか,機械的な作業って思わずのめりこんじゃって,いけないね.ははは.PDF化してみたんで(PDFで保存できてWord2007君は偉い),公開します(ページの一番下にある).

ちなみに,「いるすか」でさくらのブログを使う予定はまったくありません.ホントに何してんだ,あんたは.>自分

それから,毎年勝手に恒例にしている年末年始チャットも開通しました.おひまならきてよね(←突然浮かんだんだけど,このフレーズなんだったっけ).いや,おいでください.

あ,このチャットはですね,実は「年末年始毎日更新スペシャル」の副産物なんです(作業中,ずっとROMってるってだけ).毎日更新になるかどうかはちょっと分からない.どうも今年はずっと部屋の片付けをしていそうです.

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2008年12月25日

「SRW」更新

SRW」に『冬の朝』を追加.クリスマス合わせ.クリスマスの描写がないのになんでクリスマス合わせかと言うと,この時期の休暇をクリスマス休暇と言うらしいから.ゼンガーとイルイの話は,たまに書くと楽しい.

ところで,年賀状を書いたのだけど,普通の投函口に投函してしまった.すぐに配達されてしまうのだろうか.まあ,ちょっとぐらい早く着いたっていいだろう.

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2008年12月27日

12/26 フォームお返事

どうも感想ありがとうございます.(ああ,今,「換装」に変換されてなんか趣味が出てるなと思った)

自分で読み返してみたら,ずいぶんと直截的な文章が書いてあって,失敗だったかなとも思ったんですが(そこはかとないほうが好き),楽しんでもらえて良かったです.

あんだけなつかれりゃ,いくら朴念仁でも嬉しいだろうなあと思いながら書いていました.

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| フォームお返事 |

「愛用ソフト」更新

なんかお茶を濁してますが,「愛用ソフト」情報を更新.1つ追加,1つ削除.今はデスクトップの様相が変わってきていますが.

う~ん,毎日更新はすでに無理そうですが,なんらかの記載は上げようと思います.

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2008年12月28日

「成功の暁には」とか

Kさん
そろそろ英文のひな型要るよね.
Sousui
でも,結局,修正されたもんを読んで理解できる人間いないと.
Kさん
そんな体制じゃないからな.
Iさん
俺,昔,某大手メーカーの社内文書読ませてもらったことあるけどさ.……人員そろってると思うでしょ.
Sousui
ええ.
Iさん
日本語でよく「なんとかの暁には」て言うじゃん.
Sousui
なんて書いてあったんです?
Iさん
In the case of dawn

笑いすぎて仕事になりませんでした.

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2008年12月29日

「SRW」更新

SRW」『己の傷の下に恢復せよ』第11章続き.ほんとに面識あるかどうかは知らない.

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2008年12月30日

来年の手帳は高橋書店のフェルテ10で

1ヶ月ほど前だったと思うが,1月からの新しい手帳を買った.手帳を使うようにしようと去年の9月に買った手帳が終わるからである.

前に使っていた手帳は,LACONICのWORK 210148と言う型番のもので,A5バーチカル型ある.(LACONICというのは日本の会社らしい.知らなかった)

使い始めてすぐに失敗したと思ったのは,時間軸が12時間制であった点だ.おかげでよく記入ミスをした.それと,始まりが9時からなのも足りないなと思った.夜は1時まであったのでたいてい足りたが.

LACONICの1日分.クリックで大きな画像へ. LACONICの1週間分.クリックで大きな画像へ.

それと,よく書くだろうと思って大きいサイズにしたのだが,A5はちょっと大きかった.それに,そもそもよく書くのはメモであって,所詮手帳の最終ページに数ページある罫線ノートぐらいでは全く足りないのである.

よって,今回は

という条件で探した.

書店をうろうろ歩き回り,ネットサーフィンもさんざんしたあげく,時刻が少し足りないかなと思ったが,高橋書店のフェルテ10に決定.シンプルな紙面なので,足そうと思えば朝も夜も目盛りを延ばすことができる.

高橋フェルテ10の見開き1週間分.クリックで大きな画像へ.

実は,LACONICからはB6横型バーチカルというものが出ていて(表紙が紙のYIELD,ビニルで月カレンダーの入るポケットが付いたJOVAIL,合皮のILK),心惹かれた.朝は8時から24時間制で,翌7時まで.横型のおかげで,1日の幅が広い.ただ,9月始まりのものしかなかったし,普通のノートをセットにして持ち歩こうと思っていたため,やめておいた.

普通のノートをセットというのは,コクヨS&Tから出たSYSTEMICを見て,やってみることにした.もしB6サイズがあって,バーチカル手帳型の罫のものがあったならSYSTEMICでも良かったのだが.

さて,手帳にはフリクションボールがいいかなと思ったのだが,前のLACONICのものはペンを差すところが細くて上から差すことができない.しょうがなく下から差して,カバンにはひっくり返して入れていたのだが,秋頃,フリクションボール・ビズというものが出ていたことを知った.細いしデザインも落ち着いた感じでとてもいい.それで,さっそく買ってきて差した.

フリクションボールは,お遊びのようなデザインで太く,差すと上にだいぶ飛び出す. 対して,無地で細身のビズの方はピッタリと収まる.

しかし,フリクションボールの消去用ラバーはふたのてっぺんにあるべきだと思わないか?そもそもペンってふたを後ろにはめた時にちょうどいいバランスになるようになっていないか?だが,そうすると,消去の時にいちいちふたを取らないといけないのである.

あとはまあ,願望だけど,字がもうちょっと細く書けてインク残量が見えるといいなあ.フリクションボールの0.5mmは普通のボールペンに比べて絶対に太いと思う.

ところで,手帳の使い方なんだけど,最初,「やることはいつやるか決めてしまって書き込んでしまうのがいい」という説にのって,時間軸のところにToDoを書いてみたんだけど,計画は全く計画倒れになって,全然守れないので止めてしまった.計画を立てるのがうまくないと言われればそうなのかもしれないけど,うーん,ちょっとかかる時間が読めない物が多すぎるんだよなあ.

あと,飛び込むようにアポが入るので,ToDoまで時間軸の所に書いてしまうと,どこが動かせる予定なのかがぱっと見で分からなくなってしまう.

結局,時間動かせない予定だけ書いて,1日のToDoは下に書きためている(それも次の日に繰り越すことが多いのをどうにかしたい).あと,付箋5枚ぐらいに現在進行中のToDoをリストにしてベタベタ貼って忘れないようにしている.

欄の左半分を予定,右半分を実際の記録にして今は運用中.土日にいかに寝こけているかを改めて認識した.

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| 雑記 |

2008年12月31日

塩基配列を調べる夢を見た

どうも,このところ毎日連続して変な夢を見ているんですが,今日のは短かった.

私は,塩基配列を調べる実験をしていた.

それで,TGCAとかやっていて,ふと「あれ?こんな配列ってあるのか?」と不安になり,「あとで田河水泡(の本)を確認しよう」と思った.

起きてから考えてみたら,田河水泡って『のらくろ』じゃん.

夢の中の私は何かしたかったのだろう.

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