鹿の角の意思あるところ
- Sousui
- 鹿の角を切ってるそうだから見に行こうと思ってるんだ.
- I君
- じゃ,血が――
- Sousui
- いや,血は出ないだろう?爪切るのといっしょだろ.
- I君
- 違うでしょう.
- Sousui
- だってだなあ,インコのクチバシ切ってやっても,血,出ないじゃないか.
- I君
- 悪いですけど,昔,鳩が窓にぶつかって落ちたんですけど――
- Sousui
- 死んじゃったの?
- I君
- はい,血,ダラダラ出てましたよ.クチバシから.
- Sousui
- いや,それはクチバシから出てたんじゃなくて,根元イッちゃったとか,鼻血だったとか,口から血吐いてたとか――.
- I君
- そうですかねぇ.
- Sousui
- そうだって.爪と同じ.
- I君
- でもですね,爪は根元が伸びるじゃないですか――
- Sousui
- 角は先が伸びるっての?
- I君
- そうですよ.あれは先の細胞が意思を持って――
- Sousui
- (笑いころげている)
- I君
- いや,だって,枝分かれするんですよ,奴ら.
- Sousui
- しかしな,角を切って血だらけになるんだったら観光客に見せないと思うぞ.
- I君
- そう…です…ね――
- Sousui
- だろ?
- I君
- 血だらけの角が転がってる――見せませんね.そんな気がしてきました…
春日大社に見に行ったけど,やはり血まみれの行事ではなかったことをここに明記しておく.