toschと映画を見に行く約束をした.約束の場所に行くと,toschは手提げ袋を持っていて,「後でこれ作ろう」とケーキ種の箱を見せた.
「ふーん……で,誰んちで作るのかな?」と私.
「はは……うーん,オーブンのあるうちだろう」とtosch.
toschはオーブンを持っていないのである.必然的に私のうちだ.(だからといって,私が料理好きだとかそういうわけではなく,単に「トーストが焼ける電子レンジ」を買ったらオーブンがついてただけである)
さて,映画を見終わり,いくつかうろついた後,家に帰る.toschはたびたびうちに来て,来るたびに紅茶入れさせられたり(客にやらせるか!>俺),たまにおかずを作ってくれたりするので(客に[以下略]>俺)するので,勝手しったるものである.
今は便利なものでtoschが持ってきたのは卵2つをそのケーキ種に混ぜればいいという商品である.toschは卵を割り箱を開けてその中にケーキ種をいれようとした.が,堅くて削るようにしなければ落ちてこない.
「変だなぁ」とtosch.
「そういうもんなんじゃないの?」と私.
「だって,写真を見る限りではもっとどろっとしてるよ」
なるほど,写真ではちゃんと溶けている.で,ふと注意書きをみつけ,読み上げる私.
「常温で保存してください」
一瞬の沈黙の後,2人で笑う.なんせ,最高気温がマイナスだったし,現にちょっと前に見た温度計は-7℃を指していたのだ.(さらに,うちはストーブを点けてない)
「だまが無くなるまでかき混ぜろってさ」
「だま以前の問題じゃん」
といいつつ,toschは根性で混ぜつづけ,なんとかケーキは焼けましたとさ.(おいしかったです)